「一喜一憂せず、ディテールにこだわり続ける」北中米W杯優勝という壮大な目標へ…遠藤航が改めて強調した“積み上げの重要性”

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2025年06月11日 12:19  サッカーキング

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日本代表MF遠藤航 [写真]=兼子愼一郎
 FIFAワールドカップのアジア最終予選のラストマッチとなった6月10日のインドネシア代表戦。5日のオーストラリア代表戦を0−1で落としたこともあり、日本代表の森保一監督は遠藤航、鎌田大地、久保建英という絶対的主軸を揃って先発起用した。そこに三戸舜介や鈴木淳之介ら初キャップの若手を融合させ、本気で勝ちに行った結果、大量6ゴールをゲット。圧勝という形で最終戦を締めくくることに成功した。

「選手層という意味では、日本代表にはまだいい選手がいることを証明できた試合だったと思うし、新たな競争がさらに生まれることを期待しています」とこの日、キャプテンマークを後輩の久保に譲った遠藤は前向きに語っていた。

 新戦力の中でも、特に湘南ベルマーレ育ちの鈴木淳之介のことは気になった様子で「1対1の部分も強かったし、ビルドアップの関わりも良かった」と称賛。かつての自身と重なるという指摘を受けると「それは同じ感覚というか、サイドバックもできるし、ウイングバックもできるんじゃないかなと。ただ、最終的にどこで勝負するかっていうところは、もしかしたら海外に出ていくうえではいろいろまた悩みもあるかもしれない」と慮った。

 遠藤自身は3バックの一角、サイドバック、ボランチと多様なポジションをこなしてきたからこそ、今がある。今季プレミアリーグ優勝という高い領域に到達できたのも努力の賜物だ。今季リヴァプールでボランチだけでなく、最終ラインにも入った。どんな役割を託されても常に高値安定のパフォーマンスを示せなければ、世界最高峰クラブでのプレーは叶わない。そのあたりは、同じイングランドでここからチャンピオンシップに初参戦しようとしている同タイプの岩田智輝も「航さんは本当にすごい」と神妙な面持ちで話していたほどだ。

 その高い基準を身を持って若手に示したインドネシア戦で最終予選が終わり、いよいよ9月から本大会に向けた本格的な強化に突入する。9月のメキシコ代表・アメリカ代表のアメリカ遠征2連戦を皮切りに、今後は強豪国と腕試しをしていくことになるのだ。

 今回の最終予選を7勝2分け1敗という破竹の勢いで勝ち上がったとはいえ、今後の戦いは全くの別物。前評判の高かった2014年のブラジル大会のチームも、前年秋以降に負けが込んで危機的な状況に直面している。こ同じ轍を踏まないとも限らないのだ。

「W杯が決まって『結果に一喜一憂しない』という話はしましたけど、この先もそうで、内容にこだわることが重要。とにかくディテールをどんどん詰めていくような作業をして、積み上げをしていくことが大切なんです。今回のシリーズで言えば、5バックの崩し方や最後のフィニッシュの部分、守備のスローインからの守り方とか、そういう課題が出た。そこを一つひとつ詰めていくことですね」と百戦錬磨の男は改めて強調していた。

 遠藤は2018年のロシア大会、2022年のカタール大会に参戦しているが、本番前の1年間に紆余曲折があることを実際に体験してきた。ロシア大会の時は直前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督の更迭といった前代未聞の事態も起きた。だからこそ、何があってもどっしりと構えて、周りを落ち着かせていくべきだと心得ている。遠藤が常にフル稼働できるような状態をキープし、ピッチ内外でチームを鼓舞していくことが肝要なのだ。

 その大役を遂行するうえで、やはり気になるのは去就だ。「オファーがあれば考えますけど、基本的にはリヴァプールで(と考えてます)」と語ったが、残留となれば出場時間が劇的に増加するかどうか。アルネ・スロット監督は遠藤の価値や試合終盤の投入でも確実にゲームをクローズしてくれる集中力と高度なマインドをよく理解しているはずだが、ユルゲン・クロップ監督のように主軸に据えてくれると言い難い。そこはどうしても気がかりな点だ。

「出場機会がチームでは多くはなかったですけど、その中でもしっかり自分の中で高いパフォーマンスをキープしながら、プレミア優勝に貢献できたということは良かったと思います。プレミアリーグ優勝というのは、そんなに簡単じゃないなっていうのは実感したかなと。その中でスタメン出てる選手だけじゃなくて、やっぱり途中から出る選手たちの重要性をはすごく感じたシーズンだったし、それは僕だけじゃなくて、他の選手も含めてそう。代表にも同じことが言えると思いますね」

 プレミア王者を経験したリーダー遠藤が、世界一を本気で目指すための必須条件を知り尽くしているというのは心強い材料だ。遠藤には名門で再び定位置を奪取し、最高の状態で3度目の大舞台に挑んでほしい。そうすることで、日本代表のレベルももう一段階、引き上げられるはず。32歳の底力を改めて示し、世界を驚かせてほしいものである。

取材・文=元川悦子


【ゴール動画】日本代表、最終予選ラストマッチで大量6得点


若い力が躍動🇯🇵

代表デビュー戦の三戸舜介がドンピシャクロス
鎌田大地が合わせ日本が先制

🏆AFCアジア最終予選
🆚日本×インドネシア
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これが新10番&ゲームキャプテン👑

セットプレーから日本が追加点
久保建英が絶妙なダブルタッチからネットを揺らす

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あまりにも冷静

佐野海舟→久保建英→鎌田大地で中央突破
最後は鎌田が浮かせてネットを揺らす

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「人生を変えたい」

強い覚悟を持って臨む森下龍矢
町野修斗のクロスに合わせ代表初ゴール🙌

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今日大活躍🥷

町野修斗が1ゴール2アシスト
久保建英の絶妙なラストパスに合わせた

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若きストライカーにもゴール

俵積田晃太の突破がチャンスを作る
最後押し込んだのは細谷真大🇯🇵

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