国宝「金銅製矛鞘」に装飾=矛全体に文様、X線撮影で判明―福岡県など

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2025年06月11日 14:01  時事通信社

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X線撮影で判明した矛の文様の3次元モデル(「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会提供、所蔵:宗像大社、作成:元興寺文化財研究所)
 世界遺産・沖ノ島(福岡県宗像市)で約70年前に出土した国宝「金銅製矛鞘」をX線撮影した結果、さやの中に収まっている鉄製矛に「象眼」という技法で、豪華な文様が施されていたことが分かったと10日、県や宗像大社などが発表した。

 矛全体に象眼を施した類例は国内や東アジアにはないといい、撮影結果を分析した奈良県立橿原考古学研究所の水野敏典・資料課長は「当時のヤマト政権がいかに沖ノ島での祭祀(さいし)を重要視していたかをうかがわせる」と評価した。

 発表によると、金銅製矛鞘は6世紀後半〜7世紀初めごろ日本で製作されたとみられ、長さは約30センチ。さやの部分は銅製で金めっきが施され、柄の部分は欠損している。1954年に出土し、62年に国宝に指定された。

 今回の撮影で、矛の根元に近い部分には鳳凰を表現した文様、刃の部分には唐草とみられる文様がそれぞれ施されていたことが判明。材質は金と考えられている。

 沖ノ島は九州と朝鮮半島の間に位置し、朝鮮半島や中国大陸との交流成就や、航海の安全を祈る祭祀が行われたとされる。2017年に世界文化遺産に登録された。 

世界遺産・沖ノ島で出土した国宝「金銅製矛鞘」=10日、福岡県宗像市
世界遺産・沖ノ島で出土した国宝「金銅製矛鞘」=10日、福岡県宗像市

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  • 沖ノ島からは小石一つ持ち出したらいけないって言われたけど、昔は良かったの?
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