
6月15日は父の日。放送中の朝ドラ『あんぱん』の父親たちによる、愛あふれる金言を振り返る。
のぶ(今田美桜)の父は朝田結太郎(加瀬亮)。当時としては非常に先進的な価値観を持ち、幼いのぶに夢を持つ大切さを語った。しかし、朝鮮出張の帰りに心臓発作を起こし、帰らぬ人に。
結太郎の中折れハットは遺影代わりとなり、娘たちや妻・羽多子(江口のりこ)が日々手を合わせ、語りかけている。
幼少時に父・清(二宮和也)を亡くした嵩(北村匠海)にとって、伯父の柳井寛(竹野内豊)は父親代わりだ。信頼される医師で、穏やかな人格者。嵩の長所を早くから見抜き、進路に迷う嵩の背中をそっと押した。
しかし、嵩が東京高等芸術学校で卒業制作に取り組む最中に、急逝。楽しいだけでなく、時に苦しさや悲しさを伴う人生において、“何のために生きるべきか”を問い続けた。
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のぶも嵩も、父親からもらった勇気を胸に人生を歩んでいる──。
朝田結太郎(加瀬亮)の金言
「夢は大きいばあ、えいがや。おなごも大志を抱きや」
家業の石屋は継がず、商社マンになった結太郎。アメリカやイギリスにも負けない、日本一の貿易会社をつくる夢をのぶに話した後に(2話)
「のぶはそのまんまでええ子や。おなごも遠慮せんと、大志を抱きや」
同級生にケガをさせてしまったのぶに祖母・くら(浅田美代子)は「もっと女らしゅうしなさい」。
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京城(現ソウル)への出発の際、結太郎は「海の向こうやったら、男に負けんばあ活躍しゆう女の人が、こじゃんとおる。日本もじき、そういう時代が来る」と話し、こう続けた(4話)
「(夢は)ゆっくり見つけたらえい。見つかったら、思いっきり突っ走ればえい。のぶは足が速いき、いつでも間に合う」
結太郎は京城出張のため御免与駅へ。待合室で「うちの夢って、何やろう?」と尋ねてきたのぶに、この言葉を(4話)
柳井寛(竹野内豊)の金言
「嵩、こじゃんと絵を描け。好きなものはやればやるばあ、こじゃんと好きになる」
弟・千尋とシーソーで遊ぶ絵を描く嵩。のぞき込んだ寛は、そのうまさに驚く。さらに、亡き父を含めた家族4人であんぱんを食べる絵を見て「あったかい絵や」と目を細めた後で(3話)
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「生きちゅうき、悲しいがや。生きちゅうき、苦しいがや。生きちゅうき、いつか元気になってきっと笑える日が来るがや」
父を突然亡くしたのぶ。嵩は自分に何ができるかと寛に尋ねると、「そればっかりは、医者にも治せん。時という薬しかない。でも、それが、生きちゅうことやないかえ」。そしてこう続けた(5話)
「何のために生まれて、何をしながら生きるがか。何がおまんらの幸せで、何をして喜ぶがか。これや!というもんが見つかるまで、何遍でも何遍でも、必死に考え」
中学5年生になった嵩。寛が「将来、何になりたいがで?」と聞くと、「まだわかりません」。千尋(中沢元紀)に同じ質問をすると、妻・千代子(戸田菜穂)が代わって医者と答えてしまう。そんなふたりに向けて(11話)
「泣いても笑うても、陽はまた昇る。嵩、絶望の隣はにゃあ……希望じゃ」
嵩は高知第一高等学校に不合格、母・登美子(松嶋菜々子)は再び家を出た。夜になっても帰宅しない嵩をみんなで探すと、線路で眠っていた。嵩は「僕は何のために生きてるんだろう」。のぶに謝罪すると夜が明け、光が差してきた(20話)
「人生は喜ばせごっこや」
嵩が東京高等芸術学校に合格。寛は「清が生きちょったら、おまんの合格をさぞかし喜んだやろうにゃ。嵩、何のために生まれて、何のために生きるか。わしは思うがよ。それは、人を喜ばせることや。おまんのあんなうれしそうな顔見て、わしもこじゃんとうれしかった」。そしてこう続けた(25話)