公選法違反容疑で書類送検され、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事=20日午後、神戸市中央区 昨年11月の兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事(47)がPR会社に選挙運動の報酬を支払ったとして、弁護士らが公選法違反容疑で告発した問題で、県警は20日、同法違反(買収)の疑いで、斎藤氏を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
PR会社の社長(33)についても公選法違反(被買収)容疑で書類送検した。斎藤氏はプロ野球の優勝パレードを巡る背任容疑でも書類送検されており、神戸地検は起訴の可否を今後判断する。
斎藤氏はこれまで一貫して「違反はしていない」と主張。この日も書類送検について、「詳細はまだ承知していない」と話した上で、「公選法を含め、適法にしてきた認識は変わらない」と述べた。PR会社社長は取材に応じていない。
斎藤氏の送検容疑は昨年11月4日、知事選の広報戦略立案やSNSアカウントの運用などの選挙運動をPR会社に依頼し、報酬として71万5000円を支払った疑い。
知事選は同17日に投開票され、PR会社社長は同20日、「(斎藤氏側から)広報全般を任された」などとインターネット上に投稿。これに対し、斎藤氏は定例記者会見で「(投稿内容は)事実ではない」と反論し、代理人弁護士は「ポスター制作費など5項目以外は全て社長がボランティアとして個人でやった」などと主張した。
知事選を巡っては、昨年12月、弁護士と大学教授が刑事告発し、県警と地検が受理。任意での事情聴取や資料提出を求めてきたが、PR会社側が十分に応じなかったため、今年2月、同社事務所などを家宅捜索し、スマートフォンなどを押収した。
斎藤氏は2021年8月に知事に就任。自身のパワハラ疑惑などを巡り、県議会の不信任決議可決を受け昨年9月に失職したが、同11月の知事選で再選した。