ズラッと並んだ「サラブレッドコレクション」の数々(c)netkeiba 一般社団法人・日本記念日協会によると、きょう6月24日は「UFOキャッチャーの日」だという。子どもから大人まで幅広い年代から愛されるクレーンゲームでは近ごろ、競走馬のぬいぐるみが数多く並ぶ。そんな、競馬ファンから愛されている「サラブレッドコレクション」の“生みの親”はどんな思いを持っているのか。同シリーズの開発、販売を行っている株式会社エスケイジャパンの田中淳史さん、田村小夏さんに話を聞いた。(取材・文 netkeiba編集部)
同社は1989年にキャラクター雑貨卸販売を目的として設立された。92年からアミューズメント業界に販路を拡大し、「星のカービィ」や「ドラえもん」をはじめとした人気キャラのグッズを長年にわたり販売。その後、ゲームやテレビCMで競馬が盛り上がりを見せていることに着目し、21年7月にアーモンドアイのぬいぐるみを発売した。現在では「サラブレッドコレクション」としてシリーズ化され、数多くの競走馬がグッズになっている。
「2次元」のアニメやゲームのキャラクターから、「3次元」の生き物である競走馬の商品化へ。思い切った挑戦にも感じるが、もとより社内に競馬ファンが多かったことも追い風となり、「チャレンジしよう」という前向きな雰囲気だったとか。田中さんは「最初は社内でも男性を中心に話が盛り上がっていたのですが、プロジェクトが進むにつれて、男女問わず機運が高まっていきました」と振り返る。現在ではサラブレッドコレクションがきっかけで、競馬好きになった社員や知人もいるという。
数多くのアミューズメント向け商品を手がけてきたとはいえ、実際の生き物であるサラブレッドには、キャラクターグッズとは異なる苦労もあるそう。田中さんは開発のポイントとして「差別化」を強調する。「クオリティを維持しつつ、他社さんと違ったもので、かわいくて、愛してもらえるものを作るのが大変でした」。田村さんは「四本脚で立っているところがサラブレッドコレクションらしさ」とし、「デフォルメしている中でも馬らしさを見失わないようにしているのと、模様のかたちや馬具ひとつひとつがファンの方にとって思い入れが深いものになると思うので、再現度もこだわっています」と力を込めた。
特徴はほかにもある。これまで発売された商品一覧を見ると、リバティアイランドやコントレイルといった三冠馬たちから、ミックファイアやイグナイターなど地方馬にいたるまで幅広い。田村さんは「一頭一頭がファンの方にとって大切な“推し”や“ヒーロー”。自分が一番好きな馬のグッズがあれば、本当に特別な思いになるのではないかと思う。みなさんの心に残る競走馬たちも、記憶だけでなく、ひとつひとつ大切なかたちに残していけたら」。ラインナップにも熱い気持ちが込められていた。
田中さんは「競走馬や騎手の方ももちろんですが、関係者の皆さまが命がけでレースをされている。そういった厳しい世界のなかで、みなさまにほっとひと息ついていただけるような、ファンのみなさまにも愛される商品をつくっていきたい」と口にする。また、田村さんは「弊社商品を通じて、競馬の魅力がひとりでも多くの方に伝われば嬉しい。それぞれの競走馬が広く長く愛されることの一助になれば」とそれぞれ、商品づくりに懸ける思いを語ってくれた。
競馬ファンから愛されるグッズの裏側を直撃してみると、そこには同じく競馬を愛する人の熱意があった。サラブレッドコレクションは来月で登場4年。これからもかわいらしい商品の数々で、競馬界に彩りを加えてくれることだろう。