米連邦準備制度理事会(FRB)副議長に指名され、上院銀行委員会で証言するボウマン氏=4月10日、ワシントン(ロイター時事) 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)が7月末の次回金融政策会合で、5会合ぶりの利下げに踏み切るとの観測が浮上している。トランプ政権の関税政策が現時点で顕著な物価高を招いておらず、過度な政策の不確実性も後退。高官から早ければ次回会合での利下げ決定を示唆する発言が相次いだためだ。
ボウマン副議長は23日の講演で、関税引き上げがインフレに及ぼす影響は「当初の予想よりも小さい可能性がある」と指摘。「インフレ圧力が引き続き抑制されるなら、早ければ次回会合での利下げ決定を支持する」と明言した。
ウォラー理事も20日、米テレビのインタビューで、「早ければ7月に利下げができる位置にある」と述べた。市場の想定よりも早期の利下げに含みを持たせる高官発言が続いたことで、23日の市場では株高や金利低下、ドル売りが進んだ。
もっとも、他のFRB高官からは「利下げを急ぐことを示す指標はない」「労働市場が悪化しなければ秋の利下げが妥当」といった意見が出ている。金融緩和の時期を巡ってFRB内に意見の隔たりがある状況だ。
ボウマン氏は「7月の次回会合前に、直近の雇用やインフレの統計が発表される」と説明。最終的な政策判断を行う前に、経済情勢を慎重に見極める考えを示した。