
2022年オタクの聖都・秋葉原に爆誕したその名も「アキバ歯科」! 歯科衛生士がみんな可愛い! 制服も可愛い! コンカフェじゃないの? 今や地上波でも取り上げられる話題の施設だが、本当のちゃんとした歯科医院。「週プレ グラジャパ!」より歯科衛生士のはるきちゃんの写真集がリリースされるこのタイミングで、いったいどんな場所なのか、院長インタビューを敢行。歯科医療と萌えが結びつく、意外な必然性を知ることに!
2年ほど前から、一部のアイドルオタクの間で「秋葉原に歯科衛生士がみんな可愛い歯医者があるらしい」「『アキバ歯科』ヤバい!」等の噂が流れ始めた。筆者も情報として把握していたものの、コンカフェ全盛期だったこともあり、当初は「その手の新手のビジネスが始まったな〜」くらいの色眼鏡的な見方しかしていなかった。
そうこうするうちに定期的に通う人も見かけ始めて、"どうやらちゃんとした歯医者でもあるらしい"と認識を改めてはいたが、決定的だったのはここで歯科衛生士を務めるはるきさんの今年3月16日の以下のツイート。
「まだアキバ歯科をコンカフェだと思っている人がいるな...!? チェキが撮れるだけであとは普通だよ...! そしてわたしは6年普通の歯科医院で正社員をしてた歯科衛生士なので割とちゃんとしてますよ...!国家資格だよ!素人って言われたけど割と中堅のお姉さんだよ...!笑」
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当時アイドル活動もしていて抜群のビジュアルのはるきさんがキャリア6年!? 本物じゃん!! 俄然興味が高まりつつ、まずは当方の本業であるグラビアをはるきさんにオファー。そしてデジタル写真集の撮影も兼ねてアキバ歯科さんに伺い、院長の湯川譲治先生にお話を伺った。
場所はJR秋葉原駅より徒歩5分、中央通り沿いの一等地の2階。入った瞬間の印象は、ピンクの壁にあちこちに貼られたチェキも相まって、やはり歯医者というよりコンカフェのイメージ? しかし一般の歯医者のような威圧的な印象がないのは良いな〜と思ってたら、まさにそれが院長の狙いとのこと。
湯川 やはり"歯医者=怖い"ってイメージが強いと思うんですよ。まずはその第一印象を払拭して、歯医者に行くハードルを下げたかった。あと予防的な意味でも、歯医者に行くというルーティーンがない方にとっての、最初のキッカケになることも重要だと思ったんですよね。
"萌え"と"歯医者"、その組み合わせに"何でも萌えビジネス"的な安直さを感じてたが、その予断はあっさり覆された。"怖いイメージ""ルーティーン化の難しさ"といいう、歯科医療の原理的な課題への最適解が"萌え"なのだ!
実際オタクと口腔環境は切っても切れない問題。一部のアイドル界隈の中高年のオタクへの揶揄(やゆ)として"歯のないオタク"という言葉が定番化しているように、見かけを気にするピンチケ層と違い、中高年のオタクは収入も時間もオタ活に注ぎ込みがちで、虫歯も放置して歯がボロボロという人はいまだに多いのである。
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湯川 問診票を見ると、歯医者に来るのが40年ぶりって方もいらっしゃるんですよ! ぜんぜん痛みはないけど、うちに興味を持って来てくださって、見てみたら確かに虫歯はないんだけど歯周病がすごく進んでいる。いつ抜けるかもしれないって歯も何本かあって、もしそのまま放置してたら確実に大変なことになってた! ビックリしますけど、この形態でやってて良かったなと思えて、嬉しいですね!
しかし開院当初は冒頭のこちらの色眼鏡同様、表面的なイメージで口さがない言葉を受けることも多かったようで......。
湯川 一番腹が立ったのは、"これ院長の趣味でしょう?"とか"院長が手を出してるんじゃないの?"って言われた時ですね。自分はずっとオタクなんで、関係者的な人間が女の子にそういうことをやるのが本当に嫌いなんですよ。当院に関しては絶対そういうことがないことは保証します。
ただ最近は偏見も少なくなってきて、今年の始めくらいから女の子目当ての方々と、この場所で土日や夜遅くまでやってるから当院を選んで、ついでにチェキとかも楽しんでるって方々の割合が逆転して、後者の方が多くなってきたんですよ。アミューズメントで終わらない、しっかりした歯科診療を提供しておりますので、それが認めてもらえてきたんだなと思います。
先述したように、入口の雰囲気は萌え萌えな印象だが、一歩奥に入ると本格的な装備の個室の治療室が2部屋。はるきさんが慣れた手つきで診察台を操作してるのを見て、"お〜プロだ!"と感動した。職場だから当たり前なんですが(笑)。しかしこのひたすら可愛い衣装とは相当ギャップがある。こちら院長的にも相当なこだわりが。
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湯川 やはり可愛い子を集めるには衣装が非常に大事なので! 知り合いの、衣装をデザインしたことがあるといいうコスプレイヤーさんに協力してもらって、自分も現物を見て生地を選んだり......。
あと可愛さも大事なんですけど、清潔さも不可欠だし、動き的に衛生士業務ができないといけないし、エプロンを重ね着するから生地が厚すぎてもいけないし、毎日洗濯できないといけない。最終決定する前に、仮縫いしたものを衛生士の子に着てもらって、十分に動けるか確認してからGOサインを出しました!
最近は地上波でも取り上げられるなど、着実に存在感を増しつつある『アキバ歯科』。"歯医者の怖いイメージを払拭したい"という高い志から、こんなキャッチーな施設を生み出した院長の姿勢には、まだまだ世の中に新しモノを創れるという希望を感じた。さて、院長的に『アキバ歯科』が定着したその先の展望とは?
湯川 まだまだここでやれることがいっぱいあると思うので頑張っていきたいと思ってますが、遠い展望としては......。現状可愛い環境の中に私というオジサンがノイズとして入ってしまってる印象もあるので(笑)、歯科医師も含めて全部を可愛いく染めてみたいという野望はありますね〜。
アキバ歯科
東京都千代田区外神田4-4-3小木曽ビル2F
03-5577-5776
診察は月・木・金・土14:00〜23:00/日14:00〜19:00
(ただしコミケ期間は休診に!)
完全予約制。詳細は公式HPをチェック
取材・文/山下剛一 撮影/市川秀明