
「プレオープン1日目にお越しいただいた皆さまありがとうございました プレオープン終了後のマーモットのけんかが平和すぎるので見てください」
こんな投稿をしたのは、東京の中野に店舗を構える日本初のマーモットカフェ「マーモット村」。先日5月24日にグランドオープンを迎えたばかりの新しいお店です。撮影された動画はグランドオープンの1週間前、5月17日にプレオープン初日を終えた後、2匹のマーモット同士がお互いの首元をつかみ合ってけんかをしている様子です。
「キレイなギュイーンですね」
「『ぬーん!』が好き過ぎるんですyo!!!」
「ギュイーン、ありがとうございます。」
「ケンカ止めるの諦めたw」
動画の中盤には1匹のマーモットが「仲裁」に入ろうとしましたが、途中であきらめてその場を立ち去る姿も捉えられています。けんかにも見えますし、仲裁役のマーモットがいることで相撲の取り組みにも見える非常にシュールな光景です。
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コメントで見られる「ギュイーン」「ぬーん」といった擬音は、お互いがぶつかった後に背中を反らせるような仕草のことを指しています。どうやら、この「ギュイーン」がマーモットファンを魅了しているようです。しかし、一見「けんか」に見えるこの動作、実際は本当のけんかではないそうで…。
「マーモット村」(@marmotmura)の代表である今井さんに今回の「けんか」についてや、カフェで取り組むマーモットの保護活動について、詳しくお話を伺いました。
ーーマーモット同士のけんかはどういった状況で?
「実はけんかではなく、マーモット特有の珍しい行動『模擬戦闘(けんかごっこ)』と言われています。マーモット同士のコミュニケーションの一つであり、天敵に遭遇した際に命を守るための練習や、力を比べ合って立場の確認などを行っているという説があります」
ーーこの後の2匹の様子は?
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「マーモットが模擬戦闘を行った後は、よくお互いに毛づくろいを行います。この後も毛づくろいを行い、2匹で寝床に戻りお昼寝をしていました」
ーー模擬戦闘(けんかごっこ)の姿を見て、いかがですか?
「マーモットの模擬戦闘(けんかごっこ)は、戦いの練習のため、慣れた環境でしか行いません。模擬戦闘は、自然下でもなかなか見られない光景のため、見ることができるたびにとても嬉しいです」
ーーマーモット村では現在、何匹のマーモットがいるのでしょうか?
「現在はヒマラヤマーモット6匹、アルプスマーモット4匹と会っていただけます。なお、店内ではマーモットたちの体調を優先するため、自由に過ごしているマーモットたちを『見て楽しむ』ことが中心となります」
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※キャラメルちゃんからパンナちゃんがヒマラヤマーモット、みそちゃんからがんもちゃんがアルプスマーモット。
ーーマーモットの保護活動にも取り組まれているとのことですが、具体的には?
「海外では不適切な環境で飼育されている子や、怪我や障害を負っていても放置されている不幸な子が多くいます。弊社では、提携企業でそのような不幸な子がいる場合は引取り、日本で高度な動物医療を受けさせています。また、SNSで活動されているドクターマーモットさんと協力し、海外での密猟問題等の解決に向けた活動を行っています」
ーー今井さんにとって、マーモットの魅力は?
「やはり『自然界のぬいぐるみ』と言われ、可愛さが有りながらも、見た目や仕草の人間らしさ、おじさんらしさのあるマーモット特有の可愛さが魅力だと思います。まるまるとした体で直立し、無表情で両手でご飯を食べる仕草は、唯一無二の存在だと思います」
「マーモット村は、一般的なアニマルカフェではなく、実際には保護施設としての役割が以上に大きいです。表に出ている子たち以上に、バックヤードではケアをしている子達がたくさんいます。マーモットの可愛さも知っていただきたいですが、世界には苦しんでいるマーモットもいるということも知っていただけますと幸いです」 と今井さんは話してくれました。
可愛らしい見た目で人気のマーモットですが、取り巻く現状は想像以上にシビアであるとのこと。保護活動をはじめ、マーモットたちが安心して過ごすことができる環境を整えるべく奮闘する「マーモット村」の取り組みに今後も目が離せません。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・行橋 友)