孫正義氏がソフトバンクの「親子上場」について言及 「子どもの成長を妨げるようなことは、ゆめゆめ考えていない」

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2025年06月26日 12:41  ITmedia Mobile

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ソフトバンクの株式は、ソフトバンクグループが40.21%を保有しており、実質的な経営支配権を持っている

 6月26日に開催されたソフトバンクの株主総会にて、ソフトバンクグループとソフトバンクの「親子上場」について、株主から質問が挙がった。ソフトバンクは、親会社のソフトバンクグループと共に上場しており、親子上場となっている。


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 この親子上場は、度々批判の的になっている。親会社は子会社の株式の大多数を保有しており、子会社の経営方針を決定する権限を持っているため、子会社の利益相反が起こるリスクをはらんでいる。株主からも「親会社の利益が優先され、子会社の少数株主の利益が損なわれやすい。それを回避する具体策はあるのか?」との質問が挙がった。


 ソフトバンクの宮川潤一代表取締役 社長執行役員 兼 CEOは、「親会社のソフトバンクグループはグローバルでAIを中心とした投資活動を行っているが、ソフトバンクは国内で通信インフラやオンラインサービスを提供する事業会社。ビジネスの性質が異なるため、利益相反が起こる可能性は低い」と答えた。また、取締役の過半数を社外取締役にすることで、少数株主にとって不利な意思決定にならない仕組みにしていることにも言及した。


 ソフトバンクグループの孫正義代表取締役 会長兼社長執行役員は、この親子上場について「家族」を例に出してコメントした。


 「世の中に多くの親がいらっしゃる中で、まさか子どもの食事を取って食べたいとか、子どもが嘆き悲しんでいるのに心を痛めない親がどれほどいるのか。親になって願うのは、子の幸せであり、子が立派に育つこと。子が親より大きく育つと、親は本当に心からうれしく思う。子どもの成長を妨げるようなことは、ゆめゆめ考えていない」


 また孫氏は、親会社といえども「意思決定権を握りしめて中央からコントロールすることは難しい」と述べる。「むしろそれぞれの子会社が上場という形で常に経営内容を公開し、批判を浴びるような立場に立つことで、子の成長がより加速される」と、子会社が上場することの意義を話す。「年月がたてば、このような思想が本当にグループ会社の経営に最も有益であることが、多くの人々に理解されると信じている」



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