【中学受験】子どもが荒れる? 保護者のストレスレベルは? - 首都圏在住小4〜6の母親200人調査

0

2025年06月26日 13:10  マイナビニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
イノベーションシステムが運営するひまわり教育研究センターは6月25日、「中学受験期における家庭環境と子どもの反抗的態度」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年6月11日〜6月16日、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県)に在住する小学4〜6年生の母親200人(中学受験を「する」家庭100人、「しない」家庭100人)を対象にインターネットで行われた。


○子どもの性別、学年構成



子どもの性別構成をみえると、受験家庭では男子が29%、女子が69%、非受験家庭では男子が23%、女子が77%であり、受験家庭・非受験家庭ともに女子が多い傾向にある。特に非受験家庭は女子の割合が高めだった。学年の構成については、受験家庭では小4が32%、小5が34%、小6が34%。非受験家庭では小4が37%、小5が32%、小6が31%であり、学年の構成比に大きな偏りはみられなかった。

○通塾頻度



学習状況に関しては、受験家庭では約9割が塾に通っており、通塾頻度は週1〜2回が37%、週3〜4回が45%、週5日以上が11%。通っていない家庭は7%だった。非受験家庭では通塾していない割合が76%と多く、週1〜2回が21%、週3〜4回が3%、週5日以上は0%となった。


○平均的な学習時間(家庭学習を含む)



学習時間は明確に差があり、受験家庭の半数以上が2時間以上学習しているのに対し、非受験家庭では7割以上が1時間未満だった。受験家庭では、学習時間・通塾頻度ともに非受験家庭に比べて高い負荷がかかっていることがわかった。


○子どもの反抗的態度



子どもの反抗的態度に関しては、「言い返す」という回答が両群ともに48%であった一方、「不機嫌になる、にらむ」は受験家庭で49%、非受験家庭で39%、「勉強を拒否する」は受験家庭で34%、非受験家庭で28%となっており、受験家庭でやや高めの傾向がみられた。「子どもに反抗的な様子が特に見られない」と答えた割合は、受験家庭19%、非受験家庭32%で、その差は13ポイントにとどまった。


これら反抗的態度の頻度に関して、「ほぼ毎日」とした割合は受験家庭で27%、非受験家庭で22%、「週に数回」は受験家庭で37%、非受験家庭で47%、「月に数回」は受験家庭で33%、非受験家庭で26%、「ほとんどない」とした回答は受験家庭が2%、非受験家庭が4%だった。 頻度には若干の差があるが、「週に数回以上」見られるとした割合は両群とも6割を超えた。


○保護者の反抗的態度への反応



「特に反抗的な様子はない」と回答しなかった受験家庭81人、非受験家庭68人に、「お子様が反抗的な態度をとったときあなたはどのように対応していますか?」と質問した。



その結果、「冷静に聞く」と回答した割合は受験家庭が24.7%、非受験家庭が16.2%、「感情的になる」は受験家庭で28.4%、非受験家庭で16.2%、「距離をとる」は両群とも約27%、「無視する/そっとしておく」は受験家庭が13%、非受験家庭が32%となった。受験家庭では「感情的に対応する」保護者が多い傾向が見られた。

○保護者による声かけ



保護者の声かけについては、「頑張っていることを褒める」が受験家庭57%、非受験家庭58%、「励ます」は受験家庭が43%、非受験家庭が34%、「勉強しなさいと促す」は受験家庭が33%、非受験家庭が16%、「テストの点で叱る」は受験家庭13%、非受験家庭3%だった。受験家庭では"勉強に直接関わる声かけ"が多く見られた。


○保護者のストレスレベル



保護者のストレスレベルを0〜10で自己評価してもらった。ストレスレベルを「7以上」とした回答は、受験家庭が47%、非受験家庭が30%。中学受験しない保護者の平均ストレス度は5.05、中学受験する保護者の平均ストレス度は6.03だった。


○子どもとの会話の頻度(勉強以外の話題)



子どもとの会話の頻度について聞いた。「ほぼ毎日」は、受験家庭が61%、非受験家庭が89%。「週に数回以下」は受験家庭が39%、非受験家庭が11%だった。非受験家庭の方が日常会話の頻度が高いことが示された。


○子どもの気持ちへの理解度(自己評価)



子どもの気持ちへの理解度を自己評価してもらった。「とても理解している」は受験家庭が16%、非受験家庭が17%、「ある程度理解している」は受験家庭が58%、非受験家庭が61%、「あまり理解できていない」以上は受験家庭が21%、非受験家庭が17%であり、全体的には大きな差はみられなかった。


○子どもの反抗的態度と中学受験のストレスの関係(受験家庭のみ)



中学受験のストレスと子どもの反抗的態度の関係について、受験家庭では「強く関係している」が32.1%、「ある程度関係している」が41.98%、「あまり関係ない」以下が25%となり、約7割の保護者が受験ストレスと反抗的態度との関連を認識している結果となった。「しかし一方で、そのようなストレス下においても、反抗的な様子が見られない家庭が約2割存在しているという事実は、子どもの態度が「受験するかどうか」ではなく、家庭ごとの在り方や対応の仕方に左右されていることを浮き彫りにしている」と同調査。


調査では以下のように分析している。



「『中学受験=子どもが荒れる』という単純な図式は成り立たないということが明らかとなった。たとえ学習負荷や通塾頻度が高く、保護者にとって精神的負担が大きい状況であっても、親子の対話が保たれ子どもが心理的に安心できる家庭環境であれば、顕著な反抗的態度にはつながらない傾向が見受けられた。また、反抗的とされる子どもの言動も、その評価には保護者側の主観が関与しており、保護者自身のストレス状態や受け止め方が行動解釈に影響を与えている可能性も指摘される」



ひまわり教育研究センター所長の上田氏は次のように述べている。「子どもの反抗的態度を抑制するためには、親の関わり方や家庭の空気のあり方が極めて重要であり、反抗期的な行動も成長過程の一部として柔軟に受容する姿勢が求められるといえるでしょう」。(Yumi's life)

    前日のランキングへ

    ニュース設定