写真 2025−26シーズンより、35年ぶりにセリエAへ戻ってくるピサが、新監督に元イタリア代表FWアルベルト・ジラルディーノ氏を招へいしたことを発表した。
ピサは2024−25シーズンのセリエBで23勝7分8敗の成績を残し、勝ち点「76」を積み上げて2位でシーズンを終えた。この結果、1990−91シーズン以来となるセリエA復帰が決定。セリエB降格後、経営破綻を経てセリエDから着実に歩を進めてきたクラブが、来季は35年ぶりにセリエAの舞台に身を置く。
しかしながら、シーズン終了後の6月14日、セリエA昇格へ導いたフィリッポ・インザーギ監督と双方合意のもとで契約を解除したことが発表。現役時代にユヴェントスやミラン、そしてイタリア代表等で活躍した天性のストライカーは、1部昇格を置き土産にわずか1年でピサを離れ、その後の17日にはパレルモの新監督に就任することが決まっている。
セリエAの戦いを前に、指揮官の座が空位となったが、新監督はジラルディーノ氏に決定した。クラブは2027年6月30日までの2年契約を締結。契約には、1年間の延長オプションも付随していることが明かされている。
現在42歳のジラルディーノ氏は、現役時代にミランやフィオレンティーナなど、セリエAのクラブを中心に活躍。イタリア代表としても国際Aマッチ通算57試合出場19ゴールを記録し、FIFAワールドカップドイツ2006では優勝を経験した。2018年夏の現役引退後は指導者へ転身し、セリエDのレッツァートでアシスタントコーチとしてキャリアをスタート。2019年2月に同クラブの監督に就任すると、以降はプロ・ヴェルチェッリやシエナといった下部リーグで着実に経験を積み、2022年夏に現役時代に活躍したクラブの1つであるジェノアへ帰還。U−19チームの指揮官を経て、2022−23シーズン途中からはトップチームの監督を託された。
当時のジェノアはセリエB降格後1年目のシーズンを過ごしていたものの、ジラルディーノ監督の就任以降は安定して勝ち点を積み上げ、1年でのセリエA復帰が決定。昇格1年目の2023−24シーズンも最終的には11位に食い込み、残留を成し遂げていたが、今季は第12節終了時点で2勝4分6敗と不安定な戦いが続き、昨年11月に解任が発表されていた。ジラルディーノ監督にとっては、ジェノアを離れて以来、およそ半年ぶりの現場復帰となる。
ちなみに、前監督のF・インザーギ氏と、新監督のジラルディーノ氏は、現役時代にミランでチームメイト。後者がミランへ加入した2005−06シーズンから、退団する2007−08シーズンまで、センターフォワードの座を争い、2トップ採用時にはコンビを組んだこともある。両者ともにピアチェンツァで選手キャリアの一歩目を踏み出すなど、何かと縁がある2人だが、今回はピサの監督というバトンを引き継ぐこととなった。