大学受験に「親が干渉しない」のは古い! 40代・50代が知らないムダな干渉と必要な過干渉

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2025年06月27日 21:40  All About

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大学受験を控える子どもの様子にやきもきしていませんか? とはいえ高校生。自分の力で切り開くべきと考える保護者に伝えたい、今こそ「親の過干渉」が必要な理由とは。 ※サムネイル画像:PIXTA
「大学受験は子どもが自力で頑張るもの」そう思っていませんか? 親世代が経験した大学受験と今とでは、もはや別物。「頑張れば受かる」は過去の話で、子ども任せでは努力が報われないことも。

『親の過干渉こそ最強の大学受験対策である。』(菅澤孝平著)では、今の大学受験を勝ち抜くために不可欠な、親の「戦略的な関わり方」を解説しています。

今回は本書から一部抜粋し、なぜ大学受験で親のサポートが不可欠なのか、そして避けるべき「ムダな干渉」と必要な「過干渉」の違いについて紹介します。

親子でズレている「人生設計」の価値観

親が過干渉になるべきなのは、大学受験そのものが変化していることに加えて、もう1つ理由があります。それは、親世代が高校生だったころと今とでは、若者たちの人生設計への考え方がガラリと変わっていること。

そもそも、大学受験はなぜするのでしょう?

多くの人は、「学歴が必要だから」と答えるのではないでしょうか。保護者世代の中には、「学歴がないといい会社に入れない」「いい会社に入らないと十分な収入が得られず、いい生活をできないかもしれない」という潜在意識があるように感じます。

実際にそういう時代はありましたし、新卒採用の書類審査において、大学名で足切りをしている会社は今でも存在するかもしれません。

しかし、今の若者の多くは、そもそも保護者の思う「いい会社」で働きたいとは思っていません。仕事に追われる毎日を過ごしてまで高い給料をもらうことよりも、毎月20万円程度の手取りでも、週休3日のほうがいいという考えの人も増えています。

ワーク・ライフ・バランスという言葉が日本で普通に使われるようになってから10年ほど経ちますが、今の若者はほどよく働き、プライベートな時間を確保すること、高給でなくともゆったりとした気持ちで過ごすほうが豊かな人生であるといった発想の人が多いのです。

保護者は大学受験を当たり前のこととして捉えていても、子どもの側は大学受験に対して疑問があり、モチベーションが湧いていません。

そもそも前提が異なっているので、大学受験についても意見がズレるのは当然のことだと思います。子どもを大学へ進学させたいのなら、少なくとも親が過干渉にならなくては子どものモチベーションは上がりません。

そこで、マネジメントの役割が必要になってくるわけです。

「高収入」だけではない、大学進学の最大のメリット

大学へ行かずとも幸せな人生を歩めている人はいますが、一方で、大学に行かなかったからこそ苦労している人がいるのも事実でしょう。

「いい生活をするには学歴が必要」という親の意見も、一理あるとは思います。

そして私が思うに、大学に行く意義は大企業に就職し、高収入を得るという道をたどる以外にもあると思います。それは、「自分らしい人生」を発見できる可能性があるということ。

私の知人にも、農村で生きるのが性に合っていることに気づいた人もいますし、芸事を極め出した人もいます。

大学へ行くと、自分で思っていた世界とは異なる側面が見えて、想像し得なかった人生の選択肢を見出すことがあるのです。

「大学に行く意味がない」と言う子どもがいるとすれば、それは「大学受験に向き合い努力をするのが嫌」「頑張ったのに落ちたらつらい」といった感情から、現実逃避をしているだけなのではないでしょうか。

「大学って、こんなもんでしょ」と知った気になり行かないでいると、自分の進むべき道が何も見えないまま路頭に迷う可能性だってあります。

未来のイメージが真っ新なら、まず大学へ行ってほしいと切に願います。きっと、見える世界は想像以上に広いはずです。

子どものやる気を引き出す「親の過干渉」

親としても、子どもが大学に行ったほうが安心なのは間違いありません。しかし子どもは不要なところにパワーをかけようとは思いませんので、大学に行く意味が腹落ちしていなければ、受験勉強に身が入らないのは当たり前です。

身が入らない状況で机に向かっても成績が上がらないのは、もしかしたらみなさんも経験があるのではないでしょうか。

やる気がないのに「勉強しなさい」「大人になって困るのはあなたよ」とだけ言われても、何も心が動かず成績が伸びないのは容易に想像できるでしょう。

親は子どもの保護者であり、人生の先輩でもあります。だからこそ子どもに過干渉なまでに関わり、大学になぜ行くべきなのかというところから関与してください。

菅澤孝平(すがさわ こうへい)プロフィール
シンゲキ株式会社代表取締役社長。千葉県鎌ケ谷市出身。高校時代に偏差値32を経験。担任の先生と二人三脚で受験勉強をし、明治大学に逆転合格。その時の経験をもとに、誰かの挑戦に「伴走」したいという思いから、明治大学政治経済学部在学中にオンライン塾事業を始める。2021年、シンゲキ株式会社を創業。著書に『3カ月で志望大学に合格できる鬼管理』(幻冬舎)がある。
(文:菅澤 孝平)

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