
恋愛をしていると誰しもが少なからず「この人、本当に大丈夫?」と疑ってしまう瞬間があるのではないでしょうか。特に過去の恋愛で傷ついた経験がある人ならなおさらです。漫画家の前田シェリーかりんこさんもパートナーへの不信感を感じたことがあるようで、現在の夫との交際初期の出来事を描いた作品『馴れ初め番外編』をInstagramに投稿しています。
旦那さん(みつを)がまだ前田さんの彼氏で、しかも交際を始めた頃の話。急に体調が悪くなってしまった前田さんは、「なんか眩暈がするかも…」とデートスタート直後にみつをに言います。みつをは心配して近くのベンチで休憩しようとしてくれるも「せっかくのデートなのに空気悪くしてしまう」と前田さんは心配します。というのも、前田さんが今まで交際してきた人は「えー!じゃあ今日どうすんのこの後!」と体調不良の前田さんを責めてきた経験があったからです。
そこで前田さんはベンチに座りながら、以前の彼氏のように心無い言葉で責めてくる前にとにかく謝罪して解散しようと考えます。前田さんがそんなことを考えているとは知らず、みつをは前田さんのためにあったかいお茶を買ってきて手渡し、「気にしなくて良いってこんな時に!」と前田さんを気遣う優しい言葉をかけ、更には「仕事だって忙しいのにこうやって会う時間作ってくれてありがとな」と感謝の言葉までくれたのです。
そしてみつをは、前田さんの体調が落ち着いたら今日は家で1日まったり過ごそうと優しく提案します。みつをの言った提案に前田さんは感動するかと思いきや、「こいつ身体目当てか?もしくはネズミ講かロマンス詐欺か?」と不信感を募らすのでした。まさかのオチが描かれた同作には、「最後のページの顔めっちゃ好き」というオチへの賞賛や「優しさ免疫ないと疑ってかかるよね。わかりみ。」という共感の声が多数あがっています。そこで作者の前田シェリーかりんこさんに、当時の様子を詳しく聞きました。
|
|
身体目当てかもしれないけど詐欺師ではないのかも
ー前田さんはすぐに人を信じないタイプなのでしょうか?
過去に刺されたり付き纏われたりなどの経験が多かったため、恋人に対してあまりすぐには前向きに受け取れなかったり信用できない面が多かったです。なので警戒心があり、そこまで優しくしてくることに違和感やその行動の真意や裏を考えてしまいました。
ーこのエピソードを描こうと思ったきっかけは何ですか?
元々夫との馴れ初めはSNSで趣味の一環として更新していたのですが、書籍や連載作業などでなかなか時間を割けず、、、。それなら楽しみに待ってくれてる読者のみなさんに、サクッとお届けできる夫とのほっこりエピソードをご提供できないかな、と箸休め的に描こうとしたのがきっかけです。本筋の馴れ初め話よりも人気で戸惑ってます(笑)
ーこのあと家に向かうまでの心境や、家で過ごしてからの感情の変化などがあれば教えて下さい。
|
|
その後、私の家に行ったんですが、彼はとても自然に気を遣いすぎず接してくれました。「何かあったら言ってね」と言ってくれて、嫌なプレッシャーもなくて…。正直「身体目当てかもしれないけど、少なくとも詐欺師ではないのかも」と前向きに考えられるようになってました(笑)
(海川 まこと/漫画収集家)