インタビューに応じる米投資ファンド、カーライル・グループの山田和広日本共同代表=20日、東京都千代田区 米投資ファンドのカーライル・グループが、昨年買収したファストフード「ケンタッキーフライドチキン」を運営する日本KFCホールディングス(横浜市)について、再上場を視野に検討していることが27日、明らかになった。時間帯に応じたメニューの開発やデジタル化の推進などに取り組み、再上場に向けた地ならしを進める。
カーライルの山田和広日本共同代表がこのほどインタビューに応じ、日本KFCへの投資回収手段に関し、「IPO(新規株式公開)が向いている」と指摘した。「当面は1店舗当たりの収益を増やすことに集中している」として、時間帯に合わせたメニューの開発やデジタル技術の導入による業務効率化を検討。将来的に新規出店を加速させ、再上場への道筋を付けたい考えだ。
日本KFCは東証スタンダード市場に上場していたが、カーライルが昨年TOB(株式公開買い付け)を実施。大株主の三菱商事からも株式を取得し、完全子会社とした。買収総額は約1300億円に上った。
カーライルは対日投資を加速させており、日本企業への投資に特化した4300億円規模のファンドを立ち上げた。山田氏は大企業による非中核事業の売却や、非上場化の増加によって「M&A(合併・買収)の流れは加速していく」と強調。トランプ米政権の高関税政策などによって市場環境は見通しにくいが、「(日本に対する)評価は高いままで変わらない」との認識を示した。