野生オウム、蛇口から水飲む＝公園で操作習得―オーストラリア

　【シドニー時事】オーストラリア最大都市シドニー西郊の公園で、野生のオウムが水栓を巧みに操作して水道水を飲んでいる実態が今月、英科学誌バイオロジー・レターズに報告された。調査に当たった専門家は、オウムが環境に適応して蛇口の使い方を習得し、群れの間で広がっていったとの見方を示している。

　調査は、鳥類学者のジョン・マーティン博士とウエスタン・シドニー大などが共同で実施。黄色のとさかを持つ硫黄冠オウム（キバタン）が２０１８年以降、公園内にある人間用の水飲み場に集まっているのが目撃されたことから、ビデオカメラを設置して行動を観察した。印を付けた２４羽が１カ月半の間に計５００回以上、蛇口の使用を試み、うち４１％で水を飲むのに成功した。

　水栓はひねっている間だけ水が出て、放すと止まるタイプ。多くのオウムは片足の爪で水栓をひねり、もう片方の足で噴き出し口付近をつかんで体を支えながら水を飲んだ。中には両足とも水栓に乗せて体重をかけ、水を飲むオウムもいた。複数のオウムが柵の上で「順番待ち」をする様子も確認された。

　水飲み場の近くには川や池があるが、オウムは蛇口を便利な水源と位置付けているようだ。調査チームは既に、オウムがごみ箱のふたを開けて餌をあさる習性を持つことも確認済み。マーティン氏は「オウムは高い革新性と問題解決能力を持つ。都市化にうまく適応している」と話している。