ラジオNIKKEI賞に出走するトレサフィール(撮影:下野雄規) 今週からは夏競馬本番ともいえる「福島・小倉・函館」のローカル開催がスタートする。
重賞は日曜日に2つ。福島競馬場で3歳のハンデ戦・ラジオNIKKEI賞(GIII・福島・芝1800m)。そして函館競馬場では例年より開催が早くなった函館記念(GIII・函館・芝2000m)が行われる。
今週はラジオNIKKEI賞をピックアップ。いつものように、過去10年データからレース傾向と馬券ヒントを探っていこう。
1.上位人気馬より中位人気馬優先?
まずは人気上位馬の過去の成績チェックから。
1番人気馬は過去10年でわずか2勝。アンビシャス(15年)とゼーヴィント(16年)だけで、それ以降は勝っていない。成績は[2-1-1-6]で軸馬としてはアテにならないレベル。しかも近6年は連対さえできていない。
2番人気馬も過去10年で2勝、成績は[2-0-1-7]。3番人気馬は過去10年で3勝、成績は[3-0-0-7]と、こちらもイマイチ頼りない。上位人気3頭で合計7勝。残りの3勝分は、4番&6番&8番人気が1勝ずつとなっている。
一方、2ケタ人気下位馬も、過去10年で馬券圏内になっているのは2頭だけ。超人気薄馬の一発はやや期待薄かもしれない。
狙うべきは4〜9番人気の中位人気勢。過去10年このゾーンの馬たちが多く馬券になっている。同じことを指摘した昨年も「6・4・5番人気」でのワンツースリー決着だった。
2.トップハンデ馬は苦戦?
では過去10年、トップハンデ馬たちの成績はどうだったのだろうか。
トップハンデ馬が一番軽斤量だったのは20年の54キロ。この年は同斤量馬が5頭いたが、最上位着順が2着。ほかは、トップハンデ馬が56キロだったのが3回(延べ5頭)あって、馬券になっていたのは1頭(18年1着メイショウテッコン)だけ。そして56.5キロが1回(15年アンビシャス)でこのときも1着。さらにトップハンデが57キロだった年が4回あるが、これらの馬たちはすべて馬券圏外となっている。ちなみに昨年もトップハンデは58キロのセットアップで最下位に敗れている。
というわけで、過去10年トップハンデ馬は延べ16頭。その成績は[2-1-0-13]。総じて信用度低い。特に57キロ以上はちょっと危険といえそうだ。
3.最軽量ハンデ馬は?
一方、最軽量ハンデ馬の成績はどうか。
こちらも過去10年、49キロから53キロが最軽量となっていて、出走馬は延べ12頭。うち、いちばん成績が良かったのが昨年51キロのメイショウヨゾラで4着。これ以外はすべて8着以下に敗れている。最軽量ハンデの馬にとってはかなり厳しい戦いとなっている。
4.内枠有利!? 馬番1〜4番が活躍中?
17年以降「1枠の馬」がかなり馬券になっている。
17年1枠1番ロードリベラル(9番人気)3着。19年1枠2番マイネルサーパス(9番人気)2着。20年1枠1番バビット(8番人気)1着。21年1枠2番ヴァイスメテオール(4番人気)1着、22年1枠1番サトノヘリオス(2番人気)3着という成績を残しているのだ。一昨年は1枠馬が馬券にならなかったが、昨年はまた1枠1番だったシリウスコルト(4番人気)が2着になった。総じてやや人気薄なのがポイントともいえる。
だがこれを枠ではなく馬番とすると「過去10年、うち23年以外は内枠の馬番1番から4番までのどれかが必ず馬券圏内になっている」となる。内枠が好走傾向にあるのは間違いない。狙うならば内枠からの一発なのだ。
5.狙うのは逃げ馬?
福島競馬場の開幕週に行われるラジオNIKKEI賞。そのせいか、逃げ馬はまずまずの好成績を残している。過去10年で勝っているのは、20年1枠1番から8番人気で逃げ切ったバビットだけ。だが勝っていなくても過去10年、逃げた馬は16年のミエノドリーマーを除くと「すべて6着以内に残っている」。逃げ馬の成績は[1-2-3-4]。これほど逃げ馬成績が良い重賞もあまりない。今年も逃げそうなタイプは必ずチェックしておきたい。