約6割の就活生が「合否判断はAIにしてほしくない」と感じている。キャリア支援プラットフォーム「BaseMe」を運営するアレスグッド(東京都渋谷区)が、企業に就職予定の大学生・大学院生300人を対象に実施した「Z世代就活生調査」で分かった。
●就活でのAI利用 実はまだ多数派ではない?
AIが合否を判断することについて「AIにジャッジされるのは嫌だ」(88人)、「AIに判定されても納得感がない」(86人)、「AIよりも人に自分を理解してもらいたい」(77人)といった否定的な意見が多くを占めた。
一方「公平な評価が期待できる」(69人)といった肯定的な声や、「特に気にならない」(54人)といった中立的な声もあがり、Z世代はAIの利便性を認めつつも、人による評価とのバランスを求めている傾向がうかがえる。
|
|
就活でAIを使うことについては「効率的で助かる」(128人)、「新しい視点が得られて面白い」(83人)と肯定的な意見が目立った。一方「AIを使ったことがバレないか心配」(63人)といった声もあり、AI活用にためらいを感じたり、企業からの評価を気にする学生も一定数いるようだ。
就活でのAI活用シーンについては、「エントリーシートの作成・添削」(86人)、「自己分析」(85人)が多いものの、「AIは活用していない」(118人)と答えた学生も3分の1以上に上り、デジタル世代の中でもAI利用に差がある現状が浮き彫りとなった。
就活生が最も嫌だと感じる企業の対応については、「高圧的・否定的など、コミュニケーションの姿勢」(92人)が最多。「学歴や外見でレッテルを貼られるなど、個人評価が不公平」(55人)、「採用基準が不明確・選考結果が遅いなど選考プロセスの不透明さ」(54人)が続いた。Z世代は企業に対し、公平性や透明性、一人一人を尊重する姿勢を求めている様子がうかがえる。
●意味があると感じる就活プロセス
就活プロセスに対しては、特に「インターンシップ」(147人)、「合同企業説明会」(115人)、「自己分析」(115人)などに意義を感じる学生が多かった。
|
|
一方、「グループディスカッション」(51人)や「集団面接」(49人)を「意味がない」と感じる学生も一定数いた。一方「全て意味がある」(110人)と考える学生も多い。
就活で負担に感じることについては、「自己分析・自己PRの作成」(111人)が最も多く、「面接の準備・練習」(99人)、「エントリーシートの作成・提出」(96人)が続いた。就活プロセスに関する調査で自己分析の重要性を認めつつも、自分と向き合うことへの大変さを感じる就活生特有のジレンマもあるようだ。
就活の悩みや不安の相談相手については、「親・家族」(147人)、「友人と大学の友人」(140人)が他との差を大きく広げて上位に入った。一方、「AI(ChatGPTなど)」(18人)や「SNSやオンラインコミュニティ」(10人)などのデジタルツールを活用する人は少数となっている。
調査時期は2025年4月。
(小松恋、アイティメディア今野大一)
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。