打ち上げ後の記者会見で笑顔を見せる三菱重工業の鈴木啓司さん=29日未明、鹿児島県・種子島宇宙センター 最後となる50機目を成功で飾ったH2Aロケット。29日未明の打ち上げ後記者会見では、三菱重工業の打ち上げ責任者が「本当にほっとした」と安堵(あんど)の表情を見せた。
打ち上げ執行責任者の鈴木啓司さんは1996年のH2A開発開始時、入社6年目の若手技術者として参加。「開発の完了、初号機のフライトから50号機に至るまで会社生活のほとんどを費やしてきたので、まさにライフワーク」と振り返った。
最終号機の打ち上げ責任者という大役に「毎回大きな緊張を持って打ち上げているが、私自身の未熟によって万が一でも失敗させることがあってはならない。正直に言ってこれまで以上に緊張した」という鈴木さん。無事に打ち上げを終えた心境を問われ、「まだちょっと夢を見ているような状態。喜び爆発とまでは行かず、ドキドキが続いている」と笑顔で語った。
打ち上げ前、組み立て棟から発射点に移動する機体を見送りながら「ちゃんと飛んでいけ、帰って来るなよ」と声を掛けた。無事に役割を終えた50号機に「よくやったね、ありがとうと言いたい」とねぎらいの言葉を口にした。

H2Aロケット50号機の打ち上げ成功を喜ぶ宇宙航空研究開発機構(JAXA)関係者ら=29日未明、鹿児島県・種子島宇宙センター