日大重量挙げ部元監督を再逮捕 23年にも4人から学費詐取疑い

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2025年06月30日 10:01  毎日新聞

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毎日新聞

重量挙げ部の練習場などが入る日本大の「アスレティックセンター八幡山」=東京都世田谷区で2025年6月4日、山本康介撮影

 日本大重量挙げ部の奨学生の保護者が学費名目で現金をだまし取られた事件で、警視庁捜査2課は30日、別の年度に入学した奨学生側からも現金を詐取したとして、同部元監督の難波謙二容疑者(64)を詐欺容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。


 再逮捕容疑は、コーチと共謀して2023年12月、翌年春に入部予定の奨学生の保護者4人に、免除されている入学金や授業料を重量挙げ部名義の銀行口座に入金するよう求める虚偽の請求書を送付し、計262万円をだまし取ったとしている。


 捜査関係者によると、日大では、競技部が保護者から学費を受け取り、学部に振り込む「代理受領」という仕組みがあり、難波容疑者は00年に監督に就任した直後からこれを悪用していたとみられる。コーチに指示し、学部から預かった正規の振込依頼書を部で作成した虚偽の請求書に差し替えて、奨学生側に送付していたという。


 送った請求書には「奨学生として申請しており、2年次以降は徴収されない」などと記載して1年目の学費が必要と誤認させ、部指定の銀行口座に振り込ませたとみられる。正規の学費を差し引いた分を難波容疑者が研究室にあるキャビネットに保管し、全額を私的に使ったとされる。


 日大は24年7月、一連の不正徴収を公表。生物資源科学部の教授だった難波容疑者を懲戒解雇処分とし、監督からも解任し、刑事告発していた。


 難波容疑者は、23年春に入部予定の奨学生の保護者4人から計205万円をだまし取ったとして、10日に詐欺容疑で逮捕された。警視庁は、難波容疑者が15年度からの10年間で同部の奨学生の保護者48人から計約3800万円を詐取したとみている。【山本康介、長屋美乃里】



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