リアルスティール産駒の成功する配合パターンに該当 ヴェローチェエラが重賞初制覇

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2025年06月30日 20:00  netkeiba

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重賞初制覇のヴェローチェエラ(撮影:山中博喜)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る函館記念

【Pick Up】ヴェローチェエラ:1着

 父リアルスティールは現役時代にドバイターフ(首G1・芝1800m)を制覇。ラヴズオンリーユー(オークス、BCフィリー&メアターフ、クイーンエリザベス2世C、香港C)の全兄で、キズナをはじめ国内外で9頭のGI馬が誕生している「ディープインパクト×ストームキャット」のニックスから誕生していることもあり、種牡馬としても成功を収めています。ダートで世界屈指の実績を残しているフォーエバーヤング(サウジC、東京大賞典、ジャパンダートクラシック、全日本2歳優駿)をはじめ、レーベンスティール(セントライト記念、オールカマー、エプソムC)、チカッパ(東京盃、北海道スプリントC)など、芝・ダートを問わず多くの活躍馬を出しています。

 2025年の重賞勝ちは、カナルビーグルのユニコーンSに次いで2勝目。海外を含めればフォーエバーヤングがサウジCを勝っています。現時点で総合種牡馬ランキング8位ですが、フォーエバーヤングが稼いだ海外の賞金(約17億6000万円)を足すと、ランキング1、2位のキズナとロードカナロアに肉薄します。

 母イプスウィッチはフランスで走り、ラクープ(仏G3・芝2000m)とヴィシー大賞(仏G3・芝2000m)で2着。繁殖牝馬としてヴェローチェエラの他に3勝クラスまで出世したオックスリップ(父サトノダイヤモンド)を産んでいます。

 母方にデインヒル、サドラーズウェルズを持つリアルスティール産駒はいずれも成功しており、連対率、1走あたりの賞金額、勝馬率とも、リアルスティール産駒全体の成績を大きく上回っています。昭和末期にサッカーボーイが樹立したコースレコードを37年ぶりに更新したように、今回は函館にしては異例の高速馬場でしたが、デインヒルやサドラーズウェルズというヨーロッパ血統が主体となった血統構成なので、基本的には洋芝やスピードの持続力を活かす競馬は合うタイプでしょう。

◆血統で振り返るラジオNIKKEI賞

【Pick Up】エキサイトバイオ:1着

 母アニメイトバイオはローズSを勝ち、秋華賞や阪神JFで2着と健闘しました。レインボーライン(天皇賞(春))の4分の3姉です。繁殖牝馬としても成功しており、本馬の他にパイオニアバイオ(フローラS2着/父ルーラーシップ)、ビッグクインバイオ(アルテミスS3着、新潟2歳S3着/父キングズベスト)、クイックバイオ(ききょうS/父ブリックスアンドモルタル)などを産んでいます。

 父レイデオロは日本ダービーと天皇賞(秋)の勝ち馬。今年、JRAの平地競馬で重賞4勝目となります。この数字は、ロードカナロアの7勝、キズナの6勝に次いで第3位という優秀な成績です。

 2015年以降、芝2400m以上で産駒が50走以上した53頭の種牡馬のなかで、レイデオロの連対率28.8%はナンバーワン。サンライズアース(阪神大賞典)、アドマイヤテラ(目黒記念)がこの条件で重賞を勝っています。

 エキサイトバイオが勝った今回のレースは1800m。母の4分の3弟がレインボーラインでもあり、いずれ長めの距離を使ったときに秘めた長距離適性が開花するかもしれません。

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