ボーナスからは何が引かれてる?意外と知らない「税金以外の控除」とは

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2025年06月30日 21:20  All About

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もうすぐやってくる夏のボーナスシーズン。明細を見ると社会保険料が差し引かれているのが分かります。「税金が引かれるのは分かるけど、社会保険料が引かれるのはなぜ?」と思ったことはありませんか。その仕組みと内訳を解説します。
もうすぐやってくる夏のボーナスシーズン。明細を見ると、ボーナスからは所得税のほか、社会保険料が引かれているのが分かります。「税金が引かれるのはなんとなく分かるけど、社会保険料が引かれるのはなぜ?」と思ったことはありませんか。

この記事では、ボーナスからも保険料が引かれるのはなぜか、その仕組みと内訳をファイナンシャルプランナーの川手康義さんが分かりやすく解説します。

ボーナスから引かれる項目をおさらい

ボーナスからは、毎月の給与と同じように、税金と社会保険料の各種項目が差し引かれます。

・所得税(源泉所得税)
ボーナスにかかる所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を用い、扶養親族の数と前月給与をもとに計算されます。

・健康保険料
健康保険料もボーナスから引かれます。加入する健康保険制度により、本人の負担する保険料率は異なります。

・介護保険料(40歳以上)
40歳以上の方は、健康保険に加え介護保険にも加入しています。なお、介護保険料は、健康保険料に含まれて保険料額表に記載されます。

・厚生年金保険料
厚生年金保険料もボーナスから引かれます。保険料率は18.3%ですが、会社と本人が半分ずつ(9.15%)負担します。

・雇用保険料
雇用保険料もボーナスから引かれます。保険料率は事業内容により異なりますが、一般の事業では令和7年度の本人負担は0.55%です。
 

なお、住民税はボーナスからは引かれません。住民税は前年所得をもとに計算され、12回に分けて毎月の給与から引かれるためです。

ボーナスから社会保険料が引かれるのはなぜ?

給与だけでなくボーナスから社会保険料が引かれるのは、ボーナスも「賃金の一部」として扱われるからです。健康保険や年金は社会全体で支え合う仕組みであり、ボーナスだからといって特別扱いされることはありません。

ちなみに、ボーナスから厚生年金保険料が徴収されるようになったのは、平成15年4月の「総報酬制」導入からです。それ以前は、特別保険料として1%(会社0.5%、本人0.5%)のみ徴収されていましたが、その分は年金額に反映されない仕組みでした。

ボーナス100万円からは、いくら引かれる?

年収600万円、本人40歳、東京都在住の夫婦と子ども2人の家族を想定し、ボーナス100万円から引かれる金額を試算しました(令和7年度・協会けんぽ加入・一般事業の場合)。

・健康保険料(介護保険料含む)……5万7500円
・厚生年金保険料……9万1500円
・雇用保険料……5500円
・源泉所得税……1万7265円
合計差引額……7万1765円
手取り額……82万8235円

このようにボーナスからは、所得税だけでなく、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料も引かれるため、額面通りの金額は受け取れません。何が引かれるかを知っておけば、手取り額にも納得できるのではないでしょうか。

川手 康義プロフィール

CFP・1級FP技能士。製薬会社に勤務し、お金にも詳しいMR(医薬情報担当者)として活躍。日本FP協会に所属しており、協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営活動にもボランティアとしてかかわる。
(文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー))

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