
「勇壮」という表現がぴったりの、博多の夏の伝統行事「博多祇園山笠」。血が沸く追い山笠を見物しながら、自分も参加してみたいと思う人は多い。博多人形や博多織など地域の伝統が集結した祭りでもあり、その一つが長法被(ながはっぴ)で使われる伝統工芸の“久留米絣(くるめがすり)”だ。福岡の街全体が山笠の空気に沸く中、大丸福岡天神店(大丸松坂屋百貨店・東京)では7月9日(水)〜15日(火)まで、「第三回久留米絣大博覧会」を開催する。時間は10時〜18時(最終日は17時閉場)。
日本3大絣の一つ「久留米絣」の織元と問屋19社が一堂に集結する。テーマは「継承・革新・循環」。久留米絣が地域の文化を通じて受け継いできた伝統を守るだけでなく、時代と交わりながら形を変え、さらに新たな価値を生み出し、未来につなげていくことを意味している。ヒットアイテムの「MONPE」や上級者におすすめの「HAORI」コーナー、生地販売、ワークショップ企画など、さまざまな展示や販売がある。
江戸時代から続く久留米絣は、1957年に国の重要無形文化財に指定されている。出来上がるまでの作業はおよそ30工程にもおよび、完成まで約半年を要する。糸を先染めする過程で、染めない部分を作る「括り(くくり)」という作業が特徴の一つ。染めた糸束をまた一本一本の糸にほどいて織ることで、染まっていない部分が美しい柄となって現れる。

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