アトレティコは3選手の退団を発表 [写真]=Getty Images アトレティコ・マドリードは6月30日、DFヘイニウド・マンダーヴァ、DFセサル・アスピリクエタ、MFアクセル・ヴィツェルの3選手が契約満了に伴い、クラブを退団することを発表した。
ヘイニウドは1994年1月21日生まれの現在31歳。アフリカの小国であるモザンビーク出身で、若くして両親と死別した左サイドバックは、ポルトガルの複数クラブやリールを経て、2022年冬にアトレティコ・マドリードに加入。対人守備はリーグトップクラスで、スペイン代表FWニコ・ウィリアムズらを完封するほどだ。途中で右膝前十字じん帯の大ケガに見舞われたものの、在籍3年半でクラブ公式戦通算103試合に出場。“モザンビークの英雄”は、その勇姿を確かにロヒブランコスに刻んでいる。
アトレティコ退団が発表されたヘイニウドは、自身の公式SNSにて、「家族と言えるクラブへ、この素晴らしい年月を一生忘れないよ。ひとりひとりに感謝している。素晴らしいロッカールーム、そして何よりもみんなの人間性にね。一日中ここで、みんなに対する愛情について、みんなからもらった愛情について、書き綴ることができるだろう」とし、「親愛なる兄弟たちへ、本当にありがとう。モザンビークの少年は、みんなのおかげで、偉大なスターたちと同じロッカールームで過ごすという素晴らしい夢を実現することができた。そんなチームメイトを心から愛している」とスター選手が揃うビッグクラブでプレーできたことを噛み締めた。
アスピリクエタは1989年8月28日生まれの現在35歳。故郷のクラブであるオサスナでプロキャリアを始めた後、マルセイユを経て加入したチェルシーでは、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ優勝にも貢献した。そして2023年夏に、13年ぶりとなるラ・リーガ復帰としてアトレティコ・マドリードに加入。センターバック、両サイドバック・ウィングバックでプレーした多彩さと経験値で“チョロ”のチームを支え、負傷離脱した時期もあるが、在籍2年間でクラブ公式戦通算54試合に出場した。
アトレティコ退団が発表されたアスピリクエタは、自身の公式SNSにて、「ありがとう、アトレティコ・マドリード。2年の年月が経ち、さよならを告げるときがやってきた。ここでの時間は短いものだったが、献身、努力、そして学びに満ちていたんだ」と始め、「初日から家族のひとりとして迎え入れてくれたね。僕は幸運にも、素晴らしい人間性を持ったチームメイトたちと、ピッチ内外で日々を共有することができた。みんな、家族の一員に感じさせてくれてありがとう」と告白。続けて「もちろんタイトル獲得の役に立ちたかったけど、この経験をさせてくれたことにも感謝している。今後の活躍を願っているよ。Aúpa Atleti!(アトレティコ、頑張れ)」と締めくくっている。
ヴィツェルは1989年1月12日生まれの現在36歳。母国ベルギーのスタンダール・リエージュでプロキャリアを始めた後、ベンフィカやゼニト、ドルトムントなどを経由して、2022年夏にアトレティコ・マドリードに加入。ロヒブランコスでは、本職とするボランチではなく、3バックの一角として起用されたが、2023−24シーズンは公式戦でのプレータイムがキャリアハイとなる4182分を記録するなど、衰えを感じさせないパフォーマンスで替えの効かない存在だった。最終的に、在籍3年でクラブ公式戦通算116試合に出場した。
アトレティコ退団が発表されたヴィツェルは、自身の公式SNSにて、「ここでの日々は、感情と挑戦、勝利、そして誇りに満ち溢れた濃密なものだった。このユニフォームを着てプレーできたことが光栄だし、キャリアのこの1章を特別な思い出として胸に刻もうと思う。すべてにありがとう。これはさよならではなく、また会う日までだ。Aúpa Atleti!(アトレティコ、頑張れ)」などと惜別のメッセージを綴っている。
なお、ヘイニウドはプレミアリーグ昇格を決めたサンダーランド、アスピリクエタはヨーロッパリーグに出場するセルタ、ヴィツェルは始まりのクラブであるスタンダール・リエージュが、それぞれ新天地として噂されている。