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「黙って見ているのをやめた。発言するのを一つの仕事としてこれからやっていこうと決めました」
6月30日、こう語ったのはラサール石井氏(69)だ。7月20日投開票の参院選に、社民党から比例代表で立候補することを会見で表明した石井氏。「誰かをおとしめて、自分がはい上がろうとする世界はナチズムと同じ」などと語り、弱者救済への意欲を示した。
熱心に語る石井氏は会見で“笑いをあえて封印している”といい、「なぜなら、笑いを取ろうとした時に失言が起きることが多い」と過去の政治家の舌禍を理由に挙げた。さらに、「今日のこの会見でさほど、笑いを取って和ませる必要はないと思ったので、特に何もネタらしいもの一つも考えてこなかったというのが正直なところ」とも述べた。
そんな石井氏だが、’11年5月に笑いを取ろうとしてなのか、Twitter(現X)で《ちょっと暴言吐きます》と前置きし、こんな失言を発したことがある。
《浅田真央ちゃんは早く彼氏を作るべき。エッチしなきゃミキティやキムヨナには勝てないよ。棒っ切れが滑ってるみたい。女になって表現力を身に付けて欲しい。オリンピックまでにガッツリとことん!これは大事》
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当時このツイートは炎上し、石井氏は謝罪したのち投稿を削除。炎上は収束したが、14年ものときを経て、改めて今回の出馬表明で掘り返されることに――。
というのも、同氏を擁立する社民党はこれまでセクハラやミソジニーに対して抗う姿勢を常に強調してきたためだ。党首の福島みずほ氏(69)は’19年5月、《セクハラ、パワハラ、マタハラ、SOGIハラを根絶しなければならない》とXに投稿。また党の公式Xアカウントは今年4月、《女性蔑視の風潮を当たり前のことにしないよう、社民党はミソジニーと対峙し、闘う女性たちと連帯します》と発信していた。
そんな社民党から“セクハラ暴言”を発した石井氏が出馬することに対し、Xでは《社民党、女性差別は許さない!と日頃から強く言って女性の権利を求めていた割には浅田真央への発言で有名なラサール石井起用でアレ》《浅田真央に対する発言、男だって嫌悪感抱くのにあれを不問にして擁立するならあいつらのフェミニズムは形だけのものってことじゃん》といった疑問の声が寄せられている。
そこで本誌は社民党に取材し、石井氏の出馬を疑問視する声があがっていることについての見解を尋ねた。すると党からの回答にはまず、石井氏のコメントが綴られていた。
《発言については、謝罪し反省したものの、取り返しのつかない内容であり、現在も深く反省しています。当時から現在に至るまで、その反省と謝罪の気持ちは変わりません。今後、その反省と学びの上で、ジェンダー平等、あらゆるハラスメント根絶に向け活動してまいる所存です》
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党も石井氏の当時の発言を《けっして許される内容ではないと考えます》と断罪した上で、比例予定候補者として公認した経緯についてこう明かした。
《社民党として、『本人の考え』を踏まえ、ジェンダー平等、あらゆるハラスメント根絶等に向け、ともに活動していける方であると判断するとともに、本人の社会を変えたいとの考えと意気込みを含め検討した結果、公認決定をしたところです。
なお、ご指摘のSNSでの反応については、社民党として真摯に受け止めております。今後の本人の活動等には、必ず教訓が生かされると考えておりますので、ぜひ皆さまにも応援いただきたくよろしくお願いします》
本人は反省し、党としても教訓を生かしていくという。この宣誓は、有権者にどう響くだろうか。
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