<ソフトバンク2−1日本ハム>◇2日◇みずほペイペイドーム
悩める主砲が決めた! ソフトバンク山川穂高内野手(33)が、移籍後初のサヨナラ打でナインを3連勝に導いた。1点を追う9回1死一、三塁。日本ハム加藤貴から値千金の一打を放ち、リプレー検証の末に劇的決着の立役者となった。今シーズンは極度の不振に苦しみ、2軍落ちも経験。悔しさを振り払う一振りで決め、チームは今季最多の貯金10だ。さらに、首位新庄ハムに1ゲーム差と急接近した。
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劇的な結末に、ヒーロー山川が二塁ベース上で破顔した。1度はアウトだった。同点までか…と思われたが、リプレー検証で判定が覆る。セーフでサヨナラが確定し、両手を高々と突き上げた。勢いよくベンチを飛び出したチームメートも一目散に駆け寄ってくる。あとは身を任せ、次々に丸刈り頭をポンポンたたかれた。
「映像だとアウトかなと思ったんですけど、セーフで良かったですね。(サヨナラは)その瞬間に勝ちが決まる。サヨナラヒットはうれしいですね」
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完封負け目前だったが、一振りでひっくり返した。1点を追う最終回1死一、三塁。「狙ってはなかったですね。ライナー性を意識して」。初球だ。日本ハム加藤貴の真ん中フォークを捉えた。打球はあっという間に左翼フェンスを直撃。ボールが転々とする間に、一塁走者の緒方までホームへ生還した。激走した後輩に「足が速い人がね。本当にありがたいです」と目尻を下げた。自身はこの日4打席目。最終盤にめぐってきた勝負どころで主軸としての責務を果たした。
苦しんだ。シーズン当初から波に乗れない。極度の不振で6月16日に移籍後初めて出場選手登録を抹消された。福岡・筑後市のファーム施設で打ち込む日々。復調のきっかけをつかもうと汗を流し続けた。たどり着いたのはシンプル思考だった。「とにかくボールをつぶす。自分のバッティングはそういう風にやっていかないといけない」。
悩めるスラッガーが息を吹き返し、チームは3連勝を決めた。貯金は今季最多の2桁10に到達。首位新庄ハムに連勝し、最大「6」あったゲーム差も「1」と急接近した。「ここからが大事なので」。背番号5に慢心はない。タカ打線にはやっぱりこの男がどっしりと座る。【佐藤究】
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