猛暑でも涼しく運動できる! キリンとJFAがタッグを組んで園児を対象に“屋内運動プログラム”を開発

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2025年07月03日 12:10  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
「暑すぎて外で遊べない」。夏の気温上昇が年々深刻になる中、子どもたちの運動不足が課題となっている。大人にとってもストレスなのに、遊び盛りの子どもたちにとってその影響は計り知れない。



そんな中、子どもたちが安全に、そして楽しく身体を動かせる場を届けようと、キリンホールディングスと日本サッカー協会(JFA)がタッグを組み、幼稚園・保育園を対象とした新たな“屋内運動プログラム”を開発。7月2日には、東京都文京区の貞静幼稚園でメディア向け取材会が行われた。


○■全国1,000園への導入を目指す、キリンキッズケア“屋内運動プログラム”



多くの人が実感しているように、夏季の平均気温は全国的に上昇。猛暑日の日数も増加傾向にある。体温調節機能が未発達な子どもたちは日中の屋外活動が制限され、屋内で過ごす時間が増えているという。



キリンの調査によると、3〜6歳の子どもを抱える親の72.6%が「夏は子どもの外遊びの予定時間の短縮や、屋内遊びに変更することが必要」と回答。さらに93.4%が「暑さを理由に子どもの外遊びを制限した経験がある」と答えた。


外で遊べないことによるストレスやコミュニケーション不足は、子どもたちの自律神経に悪影響を及ぼし、免疫力の低下や精神的な不健康を招く可能性もある。そこでキリンは、子どもたちの成長を支援するプロジェクト「キリンキッズケア」の一環として、JFAとともに新たな屋内運動プログラムを開発。プログラムは20分程度で完結できる構成で、ボールを使った動きを中心に、4〜5種類の運動を“ストーリー仕立て”で楽しめる。



7月2日にはさっそく、冷房の効いた貞静幼稚園のプレイルームで児童たちがプログラムを満喫した。


この日、プログラムを担当した貞静幼稚園の中林楓花先生はまず、「今日、ここはお部屋ではなく、森の中ということにしたいと思います。森はとてもきれいな空気があります。まずは深呼吸して吸ってみましょう」と園児たちに深呼吸をうながした。呼吸を整えることで、精神の安定や怪我予防につなげる狙いだ。


「それでは今後は森の中にいる動物に変身したいと思います。どの動物がいいですか?」という先生の呼びかけに園児たちが応じ、最終的に“クマ”と“ウサギ”を採用。クマのような四つ足で往路を、ウサギのように飛び跳ねながら復路をそれぞれ往復した。



ここからはボールを使った運動に挑戦。


まずは先生がボールを床に落とした瞬間にジャンプする運動。瞬発的な動きを高めながら、集中力を鍛えることにもつながる。

さらに位置列に並んで前後の子どもにボールを手渡しする“パス運動”でボールフィーリングを楽しみつつ、周囲の子どもたちとの連携コミュニケーションを促進する。


その後も、ボールのパス&ダッシュを組み合わせた運動や……


ジグザクにダッシュ&パスの動きを組み合わせたボール遊びなど、実にさまざまな運動メニューを消化。あっという間に20〜30分の時間が経過し、すべてのプログラムが終了した。この日も東京の最高気温は32度を記録。蒸し暑い天候だったが、子どもたちは涼しいプレイルームで存分に体を動かすことができた。


この日のプログラムを終え、貞静幼稚園の冨田敦園長は「毎日35度もあるような気温の中で、外での活動は制限せざるを得ません。でも、こうやって室内でできる運動のプログラムがあると、本当に子供たちのためになる」と話し、「こういうプログラムを利用し、少しでも子供たちの体作りに少しでも取り組んでいきたいと思います」と手応えを口にした。


キリン マーケティング戦略部 主務の岸川真さんは、「子どもたちがすごく楽しそうだったので率直に嬉しかったし、やってよかったと思いました。まだスタートしたばかりですが、これを全国1,000園以上に広げて、少しでも子どもたちの健やかな毎日につなげたいと思っています」と展望を明かした。


JFA 技術委員会 普及ダイレクターの中山雅雄さんは「普段はコーチがプログラムを主導しますが、今回は園の先生の主導。サッカーの指導者がやるのとはまたちょっと違った雰囲気でしたが、子どもたちはそれぞれイメージを持って、一所懸命に動いて、いろんな動きをしてくれた。非常に良かったと思いました」と主張。園児に無理やり正しい動きを強制せず、自主性とモチベーションを重んじる指導方法についても高く評価した。


園児たちも「全部楽しかった」「またやりたい」と興奮冷めやらぬ様子。思いっきり身体を動かすことができて、いいリフレッシュになったようだ。



未来を担う子どもたちが心も体も健やかに成長できるようにと始まった「キリンキッズケア」プロジェクトは近年、免疫ケア習慣の啓発にも力を入れている。今回の運動プログラムもその延長として、全国約1,000園への導入を目指し、拡張していく。(猿川佑)

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