【競泳】子どもたちに笑顔届ける「ミズヌマン」水沼尚輝がパワーUPしたタンクで世界選手権へ

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2025年07月03日 21:27  日刊スポーツ

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「ミズヌマン」のステッカーを手に笑顔の水沼(撮影・小林忠)

競泳の世界選手権(シンガポール、11日開幕)男子100メートルバタフライに出場する水沼尚輝(28=新潟医療福祉大職員)が3日、練習を公開した。24年のパリ五輪に続く決勝進出に向け、4月からの3カ月間、ともに出場する松元克央(28=ミツウロコ)との合同トレーニングで筋肉量と持久力をアップさせた。体のタンクを大きくした「ミズヌマン」が、世界の舞台で光り輝く。


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納得のできる泳ぎで表彰台のてっぺんを目指す−。100メートルバタフライで50秒81の日本記録を持つ水沼は、間もなく開幕する世界選手権に向けて活動拠点の東京から新潟医療福祉大に戻り、練習を公開した。「家族の近くでリラックスして大会に臨む。どんな泳ぎができるか楽しみ」と笑顔を見せ、囲み取材後にはパリ五輪の準決勝でファイナル進出を決めた瞬間のポーズが元になった「ミズヌマン」ステッカーを報道陣に手渡しした。


競泳日本代表の主将を務めた24年パリ五輪は8位に入った。休養を挟み、4月からは同じバタフライの松元と合同練習を進めた。重視したことは泳ぎ込んで形をつくることよりも「体のキャパ。タンクを大きくこと」。パリ五輪前まで週2だった筋トレを週4に増やし、スイムでは5000メートルを超えるようなボリューミーなメニューを重ねて来た。28年ロス五輪を視野に入れたフォーム改良のため、まだまだ完成形ではないが「今までとは違う体つき、エネルギーの使い方にはなって来ている」。手応えは実感できている。


世界選手権は11日に開幕し、自身が臨むレースは大会終盤に行われる。水泳を通して世界中の子どもたちに笑顔を届けたい、と意気込む“ヒーロー・ミズヌマン”は、「ここから2週間は泳ぎを特化させ、最後、剣先をとがらせてシンガポールに行く。飛行機に乗った時に『早く泳ぎたいな』と思えるような気持ち作りをして行きたい」と言葉に決意を込めた。【小林忠】


○…「子どもたちに笑顔を届けたい」と話す心優しきミズヌマンは、19年のオーストラリア遠征で、16年リオデジャネイロ五輪競泳男子100メートル自由形で優勝したカイル・チャルマーズ(オーストラリア)の子どもたちへの振る舞いを見て、「代表選手が雲の上の存在ではなく、『俺も代表選手になったら、ああいう風になりたい』と思ったことがキッカケだった」と明かす。自身の競技パフォーマンスを高めるだけでなく、「さまざまな活動を通して子どもたちと交流したい」。プール内外で勇気と希望を与える。


◆水沼尚輝(みずぬま・なおき)1996年(平8)12月13日生まれ、栃木県真岡市出身。作新学院−新潟医療福祉大。卒業後は同大職員。18年の日本学生選手権100メートルバタフライ優勝。19年の日本選手権で同種目優勝。21年東京五輪は準決勝敗退。22年世界選手権銀メダル。24年パリ五輪は8位。181センチ、82キロ。

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