【バスケ】日本代表の司令塔19歳田中こころ「もう終わったこと」格下とドローも気持ち繰り替え

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2025年07月03日 22:49  日刊スポーツ

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日本対デンマーク 第1Q、ドライブで切り込む田中(撮影・増田悦実)

<バスケットボール女子・国際強化試合:日本65−65デンマーク>◇3日◇東京・有明アリーナ◇観衆5516人



日本(世界ランク9位)がデンマーク(同55位)と65−65で引き分けた。前半から32−35と劣勢を強いられ、一時逆転したが第4クオーター(Q)に追い付かれた。最年少19歳のPG田中こころ(ENEOS)は、相手の高さに苦しんで7得点。それでも気丈に振る舞い、未来を担う司令塔が4日の第2戦へ切り替えた。今回の2連戦が最終選考の場となり、13日開幕のアジア杯(中国・深■(■は土ヘンに川))で2大会ぶりの頂点を目指す。


   ◇   ◇   ◇


試合後に体をケアしていた田中が、コート内から響く声に反応した。「こころ、ナイスパ〜ス」。34歳の渡嘉敷来夢(アイシン)にたたえられ、笑みを浮かべた。65−65で迎えた第4Q残り2秒9。ゴール前に走る身長193センチの先輩を狙ったパスは、わずかに通らなかった。司令塔として勝利に導けなかったが「もう終わったことなので、気持ち的には切り替えています」と言い切った。


難しいかじ取りを強いられた。第1Qからミスが相次ぎ、チームも前半は3点シュートが21本中成功5本の23・8%と波に乗れなかった。体格で勝る相手にパスコースを封じられ「ドライブで行くことを意識したけれど、行った先には、また大きな選手がいた」と世界を感じた。32−35で迎えた第3Qの10分間は22−12。小刻みな切り返し、スピードあふれるドライブで観衆を魅了しながらも「いい出だしができないと、絶対に日本は乗ってこない。明日はいい出だしをやりたい」と反省を忘れなかった。


24年パリ五輪を終え、コーリー・ゲインズ・ヘッドコーチ(HC、60)が率いる新体制になった。五輪でPGを担い、ENEOSの先輩にあたる宮崎早織(29)は25−26年シーズン限りでの現役引退を表明するなど、新たな世代の台頭が求められる時期に入っている。ゲインズHCからは試合中から「お前がいけ」と背中を押され「自分が打たないと入らない」と攻める姿勢は消さない。4日の第2戦を経て、アジア杯では身長220センチ超えの選手を擁する中国がライバル。前だけを見て進む。【松本航】


◆田中こころ(たなか・こころ)2006年(平18)1月10日、大阪府生まれ。大阪のKAGO CLUBを経て愛知・桜花学園高に進学。1年だった21年は全国総体とウインターカップ2冠。3年になった23年は全国総体準優勝。24年にENEOSへ入団。Wリーグ開幕戦から23分48秒出場し、11得点などで貢献。日本代表デビューは25年6月7日台湾戦で10得点。趣味は音楽鑑賞。好きな食べ物は春巻き。172センチ。

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