ひろゆき氏人生において最も大切なものは何か。それは健康であるということに異論を唱える人は少ない。どれほどの財産や地位があっても、心身の健康が損なわれては意味をなさない。ひろゆき氏は、健康を維持するための最優先事項として「ストレスを避けること」を挙げる。本記事では、ストレス社会を生き抜くための具体的な考え方と行動術について語る。
※この記事は、『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』(徳間書店)より一部抜粋、編集したものです。
◆健康の絶対条件はストレス回避
僕らが生きていくうえでいちばん大切なものはなにか? 健康だ。異論を挟む人はいないだろう。貧乏でも楽しく幸せに暮らしている人はいる。でも健康を損なって楽しそうにしている人は見たことがない。健康がすべてなのだ。
では、健康のためにいちばん大切なことはなんだろう? それはストレスをためないことだ。これもまた絶対的真理だと僕は思っている。
複雑な現代社会ではなにかとストレスがかかりやすい。特に仕事はストレスの温床だ。厚生労働省の報告によれば、業務による心理的負荷が原因で精神障害を発症し(自殺を含む)、労災認定を受ける件数が年々増えているという(厚生労働省「職場における心の健康づくり」2024年より)。
また、仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスを感じていると答えた労働者の割合は82%に達している(同「労働安全衛生調査」2022年より)。
◆食べていけるだけで儲けもの
多くの人が職場で強いストレスにさらされている。いかんともしがたい状況である。でも解決策は明確なのだ。嫌なことさえしなければいいのである。いくら仕事をがんばったところで、ストレスをため込んでは意味がない。
それで体調を崩してもだれも助けてくれない。社会なんてそんなものだ。だから割り切って働こう。嫌なことは嫌だと退けたとしてもクビにはならない。食べていけるだけで儲けものである。
あなたにとって最適なワークライフバランスを築く。ストレスを取り除くにはそれしかない。ストレス回避を最優先で考えよう。それが健康であるための第一条件である。
◆怒りのコストは高くつく
怒りにとらわれると人生のコストは一気に跳ね上がる。それが僕の持論だ。
仕事で理不尽な目に遭ってムシャクシャし、憂さ晴らしに高価なものを衝動買いしてしまう。あるいは相手と激しい口論になった挙げ句、取り返しのつかないひと言を放ってしまい、その後の関係修復に苦労する。
怒りにまかせた行動は損でしかないのだ。ということは裏を返せば、怒りのコントロールさえできれば、余計な損失とは無縁でいられるわけだ。
◆自分を客観視すれば冷静になれる
そこで大切なのは「過度な期待をしないこと」だろう。怒りはたいてい、「こうあるべき」という期待が現実とずれたときに湧いてくる。
電車が遅延してイライラするのは、「時間どおりに来る」という期待が裏切られたからだ。でも「そもそも電車は遅れる可能性があるもの」と思えれば、腹は立たないだろう。
それでもどうしても怒りが湧いてくるようだとどうすればいいのか? そんなときに備えて冷静になれる行動パターンを決めておくといい。深呼吸をする。飲み物を飲む。ワンクッション入れられるなら、なんでもいいのだ。相手に文句を言いたくなったら口に出すのではなく、紙に書き出してみよう。すると自分を客観視できて冷静になれるはずだ。
いちばんおすすめなのは、とにかくその場を離れることだ。トイレに行く。散歩をする。別の部屋に移動する。それだけでずいぶん気は落ち着く。
実際に僕もパートナーに対し「このままだとケンカになる」と感じたら、その部屋を去るようにしている。感情的になっている状況で面と向かっていてもろくなことにはならない。
怒りをコントロールできれば、人生は格段に快適になるのである。
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』