長岡一也さん(フリーアナウンサー)【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆芝ではパーフェクト連対中ロードフォアエース
テンのスピードに乗りやすい小倉の芝1200米は、良馬場だと前半の3ハロンが32秒台の前半というハイペースになることが多い。しかも高速決着になるのでスピード能力が一番もとめられる。さらにハンデ戦なので、そこにもポイントがある。当然、軽ハンデ馬に目が向くが、その中でも3歳馬、それも牝馬をマークしなければならない。
北九州記念は、年々この傾向を強めてきた。この4年でヨカヨカが51キロで、昨年のピューロマジックが53キロで勝っているが、この2頭の3歳牝馬の優勝を受け継ぐシーンが、今年はあるかどうか。
アブキールベイへの注目が集まっているが、前走の葵Sでハイペースで逃げたクラスペディアをゴール前できっちりとらえたレースぶりは目立っていた。昨年のピューロマジックと同じステップだが、ただこの馬には、時計面の対応に課題が残っている。今回がキャリア8戦目、さらなる成長が見られればと条件をつけておく。ただ小倉のこの距離は3走前に勝っているので、その鋭い末脚には魅力がある。
一長一短あるメンバーで選びたい馬が多いが、どうしてもハンデを決め手にまとめることにした。そして中心には、ロードフォアエースを。デビューから13戦4勝2着8回、着外はダートの一戦のみという好成績、昨年6月に2勝級を勝ってから7戦連続1200米を戦い、2勝2着5回とパーフェクト連対を果たしてきた。しかもオープンに昇級後3戦連続して2着を確保と、とにかく安定して走ってきた。いつも一生懸命に走ってくれる馬ときゅう舎では言っているが、ハンデ差を考えると、前走敗れたヨシノイースターに今度は勝てそうな気がする。
昨年このレースを2着したヨシノイースターは、昨年より1キロ重い58キロのトップハンデで、勝ち切るのは大変な気がする。
夏は、格よりも調子のいい馬と言うが、そういう馬を選ぶならヤマニンアルリフラだ。この4歳馬は、昨年12月に初勝利を挙げると、3、1、1着と5ヶ月足らずでオープン入りと大きく出世してみせた。以前は中距離を走って勝てなかったが、距離を短くして結果が出てきた。初勝利までに9戦もかかった馬が開眼したということだが、兄や姉が走った血すじを受けているので、重賞初挑戦でどんな結果を出すか、55キロのハンデを生かしても不思議ではない。
そしてさらに加えておきたいのが、軽ハンデの伏兵だが、ここに53キロの6歳牝馬のヤマニンアンフィルがいる。先週の佐世保Sに勝ったらこのレースをと考えていたら、見事にその通りになったということだが、これがなんとヤマニンアルリフラの姉で、きょうだいでどんなレースになるのか興味がわく。1分7秒台で走るスピードがあり先行脚質だから、上位に入る可能性が全くないとは言えないだろう。
「この夏の タイトルねらい 6ハロン」