
一昨年の夏、Xユーザーのまめたろさん(@kuromametaro620)の自宅前の公園付近に、1匹の子猫が姿を見せるようになりました。後に「チョロすけくん」と名づけられるその子は、秋頃からカラスが荒らしたゴミ捨て場にも頻繁に現れるようになったといいます。
「いつもお腹を空かせているようで、だいたいゴミ捨て場でりんごの皮などをかじっていました。ラップなどを食べてしまうのではと心配で、先回りして片付けたりしていました」
燃えるゴミの回収日は週に3回。そのたびに、まめたろさんはチョロすけくんの姿を見かけていたそうです。
「周囲を見て回ると、ごはんをあげている方はいたんですが、他の猫たちが怖くてあまり食べられていない様子でした」
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家に迎えることに夫は反対していたといいますが——
「どうにか説得して保護することにしたんです」
その保護は、驚くほどスムーズに進んだと振り返ります。
「捕獲器がなかったので、普通のペットキャリーの扉を開けてごはんを入れたら、すぐに中に入って食べ始めました。そーっと近づいて扉を閉めて、そのまま30分以内に連れて帰れました」
あまりに警戒心がなかったことから、“チョロすけ”と命名。当時の推定年齢は生後7カ月ほどでした。
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よく遊び人懐こい子猫、ある日起こった“脱走事件”
お迎え初日から、チョロすけくんは撫でられると喉をゴロゴロ鳴らし、動物病院でもにこにこした様子を見せていたといいます。
「茶トラ系の子は人懐こいと聞いてはいましたが、ここまでとは。びっくりしました」
しばらくは隔離部屋のケージで過ごしてもらっていたそうですが——
「毎晩よく鳴いていました。でも『外に出せ〜!』というよりは、私を呼んで鳴いていたみたいで。隔離部屋に行くとすぐにおとなしくなりました。人(猫?)恋しかったのかもしれません」
チョロすけくんを迎えたことで、暮らしにも変化がありました。
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「猫と遊ぶ時間が増えましたね。先住猫のまめたろがとてもおとなしくて、あまり遊ばない子だったので」
そんな中、忘れられない出来事が。それが“脱走事件”でした。
「脱走対策はしていたんですが、昨年10月に私の不注意から脱走してしまって…。猫探偵さんに依頼して、3日目に捕獲器に入って帰ってきました」
ところがその際、チョロすけくんは大きな怪我を負ってしまったといいます。
「捕獲器の中でかなりパニックになって暴れたようで…。血まみれの状態で戻ってきて、病院で縫合してもらいました。私のことも忘れてしまったのか『ウーー!』と威嚇されて、本当にショックでした」
それでも、帰宅後にはいつもの甘えん坊に。
「家に戻ったら、すぐに私のことを思い出してくれたみたいで、たくさん甘えてきました。怖くて痛い思いをさせてしまったと反省しています。それからは、脱走対策にかなり神経質になりましたね」
明るく“おしゃべり上手”に成長ーー今、愛猫に伝えたいメッセージ
現在、チョロすけくんは2歳。にぎやかで甘えん坊な性格は、ますますパワーアップしているようです。
「甘えん坊、食いしん坊、陽キャ! めちゃめちゃよく喋ります。朝は特に、ずーっとひとりで『ニャオ、ニャオ』とおしゃべりしながら家の中をパトロール。ブラッシングも爪切りもさせてくれるし、1歳を過ぎたころからは、まめたろより体も大きくなりました」
撫でられるのも大好きで、近づいてくるときにはもう喉が鳴っているのだとか。
「2階で寝ていても、1階のキッチンでオヤツの袋の音がすると、寝ぼけながらもすぐ降りてくるほど、食いしん坊(笑)。いつもハッピーな表情を浮かべていて、毎日よく食べて、よく寝て、よく遊んで、よく甘えてます」
陽キャぶりも健在で、まめたろくんとの関係にも個性が光ります。
「チョロすけのほうは、まめたろに近づきたがってるみたいなんですが、『シャー!』と怒られてしまいます。でも、まったく気にしてない様子。そんなに仲が悪いわけではないようで、ニャンプロを仕掛けたり仕掛けられたりしています。一緒に窓辺でニャルソックすることも。いつか猫団子になって寝てくれると嬉しいですね」
最後に、改めて今の気持ちを語ってくれました。
「出会ったとき、どうしても放っておけなくて保護しました。ちょっとにぎやかで、甘えん坊で、とってもかわいいチョロすけ。これからも健やかに、楽しく、まめたろと仲良く暮らしていけたらと思います」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)