「7月5日に大災害説」訪日客減少の香港でメディアが検証記事「本当にあり得るのだろうか?」

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2025年07月05日 16:04  日刊スポーツ

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日本で漫画を発端に「7月5日に大災難が起きる」とのうわさが拡散したことについて、訪日客減少などの事態が発生している香港のメディア「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」は4日、うわさを検証する特集記事を掲載した。


同メディアは「日本のマンガに書かれた『7月5日の大地震』は起きる可能性はあるのか?それとも香港人が我を見失っているのか」と題した記事をアップ。漫画家たつき諒氏が21年に出版した「私が見た未来」(飛鳥新社)の内容を紹介する形で「日本の漫画のストーリーが、土曜日に日本を『巨大地震』が襲うとのネット上のうわさをあおる大きな要因となり、一部の香港市民に恐怖心を抱かせ、人気旅行先である日本への旅行意欲を低下させている」と伝えた。


その上で「しかし、漫画家が自身の夢に基づいて主張する内容は、本当にあり得るのだろうか?」と提起し、専門家の意見などを集め特集。「1章」では「なぜ巨大地震への懸念が高まっているのか?」と問いかけ、気象庁が昨年8月、南海トラフに関連するマグニチュード8または9の地震が今後30年以内に発生する確率が70〜80%であると公表したことを示した。また国の推計では、その地震で最大29万8000人が死亡する可能性があるとされていることも伝え「この発表は、ネット上で広く議論を引き起こし、風水師の予言や『私が見た未来 完全版』という漫画との関連性を指摘するうわさまで飛び交いました」と経緯を説明した。


「2章」では「地震の正確な発生時期を予測することは可能か?」と題し、気象庁が「地震の具体的な時期、場所、規模を予測することは不可能」との見解を示して“予言”を否定したことを報じた。また、香港の専門家も「漫画の予測は科学に基づいておらず、地震の正確な発生時期を予測することは不可能」と述べたとし、気象庁の注意喚起は「特定の日」を指したものではないとの見解を示した。また、たつき氏が以前、自分は「予言者ではない」と述べ専門家の意見に基づいて適切に行動するよう促していたことも伝えた。


「3章」では「地震は複数の地域をまたぐ可能性があるか?」。「4章」では「マグニチュード10の地震は起こり得るか?」と検証。漫画では災難が「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました」とされていることについて紹介した上で、広範な地域にマグニチュード10レベルの地震が起きることについて、専門家が否定的な意見を述べた事を伝えた。


「5章」では「人々はこれらの予測にどのように反応しましたか?」と問いかけ、「一部の香港人は漫画の主張を信じ込み、旅行代理店は日本ツアーの需要減少を公表している。香港航空も、日本の観光需要の低迷を理由に、7月と8月に鹿児島と熊本への便を欠航した」と、現地の影響を伝えた。その上で、専門家の意見として「日本人は非常に科学的です。幼い頃から、政府や学校で地震がいつ発生するのか、そのリスクはどれほど高いのか、どのように対処すべきか、そして当局はどのような支援を行うのかを教えられてきました」と述べると、「政府や科学、データに基づかない臆測を信じることは、非常に無知だと考えているかもしれません」と付け加えた。


「6章」では、「香港人の懸念について専門家はどう見ているか?」とのタイトルで、現地の専門家が「香港人の反応は常識の欠如を反映している」と述べたことを記載。「香港人は地震、噴火、戦争などの大規模災害を経験することがほとんどないため、災害に対する認識が弱く、知識のギャップが生じている可能性がある」とのコメントも伝えた。またSNSでの誇張された表現もパニックを引き起こしたとして、災害の備えに関する教育を強化する必要があるとの指摘も加えた。

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