元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」が、自身の経験や周囲の業界人から聞いた話をもとにお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在はメディア出演も積極的に行っている。
◆セクシー女優の整形事情
セクシー女優の約8割が顔の“テコ入れ”をしていると言っても過言ではない。今ではノーメンテナンスの女優の方が珍しくなった。
二重埋没はもう朝飯前レベルで、輪郭の骨切りや鼻・アゴ・額のプロテーゼ挿入など、具体的な箇所を挙げればキリがない。仮にパーツ整形は未経験でも肌管理などのケアを集中的に行う女優も多いため、ほぼ全員が何かしらの施術を受けていると断言しても良いだろう。
今は普通の大学生でも美容クリニックに通う時代。芸能人も整形が当たり前なので、手術自体を批判するのは少々時代遅れかもしれないが、元が可愛いのに何度も“テコ入れ”を繰り返し、顔が不自然になる悩ましいケースが本当に多い。
セクシー女優が過度な整形を繰り返すのは、単に美意識が高すぎることが大きな原因である。人前に出る職業だから美にストイックなのは仕方がないものの、どこかで意識をはっきりとさせなければ延々とメンテナンス地獄へとハマってしまう。
◆一度やると止まらない、美容整形の蟻地獄
筆者も整形を繰り返しているので、次から次へと手術をしたくなる気持ちは痛いほど分かる。一か所直すとまた別のパーツが気になって、何なら同じ部位を再手術しようか検討するほど、自分の顔についてアレコレと考えてしまうのだ。
お金が稼げて長期休みを取りやすいセクシー女優は、可愛くなりたい一心で何度も美容クリニックへと通う。しかも1を3にするのではなく、すでに5や10のところを、さらにさらにレベルアップさせてしまうため、メンテナンスが永遠に終わらない。「もっと可愛くならないと……」という美意識の高さは、時に“呪い”のような状態になってしまうのである。
◆「誰?」と思われるほど変わってしまう女優も
業界は美女だらけで、毎日のようにハイクラスな女性が参入してくる。しかも写真詐欺ではなく実物もビックリするほどキレイな人ばかりなので、共演が続いた時に周りと自分を見比べて焦るタイプは、美容整形の蟻地獄へと陥りやすい。
もともと自己肯定感が低く、整形によって自信をつけた人だと精神的な根っこの部分がグラつきやすいため、手術によって下がった自尊心を再び取り戻そうとするからだ。
それによってデビュー時から整形を繰り返し過ぎて、「誰?」というくらい見違える人がビデオ界隈には山ほどいる。従来のファンも首を傾げてしまうほど見た目を変えると、客離れに繋がるため注意したいところだが……。
美容整形も沼にハマると歯止めが利かなくなり、客観視ができなくなるので非常に難しい問題と言えよう。
◆「整形手術=趣味」と化す人も
先ほど「美容整形は蟻地獄」と説明したが、必ずしも悲壮感が漂うとも限らない。手術はやめられないけど気持ちがとても前向きで、毎回のメンテナンスが楽しみとなり、「手術=趣味」と化すツワモノもいる。
趣味が整形の女優は、自分の顔を変えるために働くので、次の手術箇所をどうするかなどを常にウキウキ考えている。理由はどうであれ、仕事を頑張る原動力を自ら作り出せるなら悪いことではないし、志が高ければどんどん美しい見た目へと変化していけるだろう。人気商売における美容整形は、基本的にプラスへと作用するものだ。
◆勝手に豊胸してしまう女優も…
しかし、なかには事務所に相談せず勝手に整形してしまう困った人が多々存在する。実際に起きた恐怖エピソードの一つに、マネージャーが来月の撮影日について連絡をしたところ「あ、豊胸したからしばらくはムリ」と“後出し”された話がある。
セクシー女優なのに相談なしで体型を変えるのは“禁忌”。さらに大きめの手術はダウンタイムが長いため、復帰に時間がかかる。それにより、一定の期間ぽっかりと穴が空くのは事務所としても痛手だ。
企画女優ならまだしも、メーカー専属の単体女優は契約料が発生しているせいで、見た目を一定の期間キープしなければならない。前髪のある・なし、髪の毛の長さやカラーまで決められているのに、それをあっさり破るなど言語道断。メーカーも事務所も後出し発言には真っ青になり、マネージャーは先方に平謝りするほかない。
◆無断整形で契約解除の可能性も…
実のところ、無許可であちこちを変える女優は、いつの時代も一定数いるのだが……。相当な売れっ子なら「次はちゃんと相談してね」と注意で終わるものの、そうでないと途中で契約解除も十分に有り得る話。
見た目のレベルが上がるのは結構だが、周りの目や意見を聞き入れずに暴走すると、自分の女優生命に支障をきたしてしまうので、時に笑い話では済まなくなるだろう。
◆セクシー女優が悩まず整形に踏み切れる理由
正直、セクシー女優は元夜職も多く、整形に対する抵抗感が基本的に薄い。美意識が高いのはもちろんだが、最初から「みんなやってるし」の精神が強いので、あまり悩まず手術に踏み切れる部分は間違いなくある。
過度な整形による変化を見てファンは残念に思うだろうけど、本人たちがやりたいなら仕方がないこと。また、人気商売におけるアップデートはタレント人生の“延命”にも役立つため、必ずしも「悪」とは言い切れないのだ。
もし推しの顔が次回会った時に変わっていても、相当な変化が起きていない限りはそっと見守ってあげてほしい。
文/たかなし亜妖
―[元セクシー女優のよもやま話]―
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。