フィギュアスケートのアイスショー「The First Skate」が5日、仙台市太白区のゼビオアリーナ仙台に新設された通年型アイスリンク(仙台市アリーナ)で行われた。冬季オリンピック(五輪)男子2連覇王者のプロスケーター羽生結弦さん(30)をはじめ、仙台市に縁のあるオリンピアンの本田武史さん(44)鈴木明子さん(40)や、本郷理華さん(28)が出演。国際規格(60メートル×30メートル)で整備された“新聖地”で、開館記念の舞いを披露した。
名作オペラ「トゥーランドット」のアリア「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ」に乗ったオープニングに「春よ、来い」「Let Me Entertain You」の本編とアンコール、フィナーレの「Anything’s Pssible」とグランドフィナーレ「Lullaby」で門出を祝った初演を終え、取材メディア計39社に囲まれた羽生さんの「一問一答」は次の通り。
−演技を終えた率直な感想は
先輩方…本郷さんは後輩なんですけど、やっぱり地元のスケーターのみんなと一緒に、こうやって1つのショーを作り上げて、仙台の地で、みんなで何かを作り上げることの楽しさと、またそれを仙台の方々、仙台に集まってくださ
った方々に対して発信できたのは実感として、すごく良かったなと思います。
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−新たなリンクが仙台の人にとってどのようば場所になってほしいか
やっぱり、本田さんもそうなんですけど、どうしても仙台のリンクで練習し続けるという中、世界のトップを狙っていくことになっていくと、もっと恵まれた環境に行かざるを得ないということが(カナダ・トロントへ渡った)僕も含めてあって。そういうことがあると、やっぱり自分たちも故郷への思い、家族への思い、仲間への思い、いろんなことが『うわっ』てなる日が絶対あるので。やっぱり好きな場所で、好きな仲間と、好きな先生と、一緒にずっとできたらいいなって思いました」
−仙台の子供たちと一緒に滑った。自身がスケートを続けていく思いは
体が動くうちは、全力で全身全霊で滑り続けたいと思います。後輩に背中を見せるとか、そんなの関係なくて、フィギュアスケートの可能性を切り開きたいとかも全然、関係なくて。ただひたすら、自分が目指しているものであったり、また新しいものであったり、理想だったり、そういったものを常にアップデートしながら、良いものを、日本に、世界に発信できるように頑張っていきたいと思います。後輩たちと一緒に滑ったことについては、僕自身、本田さんや鈴木さんと一緒に滑ることが、小さい頃からアイスショーであって。そのたびに非常に大きな刺激を受けてきました。僕は小学校6年生の頃からシニアのアイスショーに参加させていただいたんですけど、その時に、ものすごく間近で見るジャンプの迫力、表現力、スピードの緩急など、すごくいろんなことに刺激を受けました。そして、勉強になりました。今日ここで滑った子供たちが、そうやって、ちょっとでも僕らの中から刺激を受けたり、また勉強になったり「こいつらより絶対うまくなってやる」と思ってくれるような子たちが出てきてくれたら、うれしいなと思います。
「The First Skate」にはアイスリンク仙台のスケーター24人も含め、総勢28人が出演。3万件超の応募から選ばれた3378人の前で、午後1時40分から1時間10分にわたって開催された。
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冒頭では、仙台市にある日本フィギュアスケート発祥の地「五色沼」や、荒川静香さん(43=06年トリノ五輪)と羽生さん(14年ソチ五輪、18年平昌五輪)という2人の金メダリストを輩出した聖地であることなどが紹介され「新たなスケートの歴史が刻まれました」のアナウンスに大きな拍手が注がれた。【木下淳】
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