特大キャンバスに絵の具を散らして描く、日本画のメイキング動画がYouTubeに投稿されました。目を奪われる制作風景と完成した絵の幻想的な美しさが話題になり、記事執筆時点で約10万回の再生数と4500件以上のいいねを集めています。
投稿者は、日本画家の日月美輪(@hidukimiwa)さん。今回は50号(1167×910ミリ)の和紙のキャンバスに大輪の牡丹の花を描きます。
まず、日本画で使う絵の具を紙に定着させるための「にかわ液」を鍋で作り、粉状の岩絵の具を溶いておきます。抱えるほど大きなキャンバスに下地処理を施したら、筆を大きく振って絵の具を散らし始めました。濃淡の異なる緑や赤、青、黄、黒の絵の具を大胆に散らしてからキャンバスの一部を持ち上げると、絵の具はゆっくりと広がっていきます。絵の具がにじんだ部分は、幻想的に混じり合っていきました。
次に、キャンバスをグレーのカーボン紙で包み、その上に大輪の牡丹の花を描いた線画を重ねます。線画をボールペンでなぞるとキャンバス上に転写されました。ボールペンを筆に持ち替え、一部の線に筆で墨入れをしていきます。
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さらに、すでに付いている色を生かしつつ、筆で彩色していきます。色を乗せてはぼかすことを繰り返していくと、まるで光がゆらめいているような美しい表情が生まれました。
その後は転写した下書きの線の一部を白い絵の具でなぞり、光の当たる部分をハイライトとして彩色します。この工程を終えると、陰影がはっきりして立体的に感じられるようになりました。
その後も緻密な彩色作業は続き、新しい色が塗られるたびに絵の印象が大きく変わっていきます。牡丹の中心部には鮮やかな金色を乗せ、よりいっそう華やかに。光を反射してきらきらと輝いています。
こうして完成した絵は「《花輝る(imaginator-P)》」と命名。大輪の牡丹の花が鮮やかに咲き誇り、透明感にあふれた幻想的な色彩が鮮烈な印象を与える作品です。
見入ってしまう作業風景とすばらしい絵の仕上がりには称賛の声が集まり「花びらが1枚づつ踊っているみたい、豪華なのに繊細で美しいです」「ずっと見ていられる」「この絵を目の前にしたら浄化されそう」「見ていて癒やされました」「本当に、美しい……幻想的だ……」とうっとりする声が寄せられました。また、海外のアカウントからも絶賛の声が多数書き込まれています。
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この他にも一般的にイメージする「日本画」とはひと味違う作品を多く手がけている日月さん。YouTubeでは「機動戦士ガンダム」のシャアを日本画の技法で描く動画なども公開しています。
画像提供:YouTubeチャンネル「日本画家 日月美輪」
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