「これがネグレクトでないなら、何がネグレクトなのか」全身が毛玉、顔も体も分からない犬の姿に広がる怒り

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2025年07月07日 14:30  まいどなニュース

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「これがネグレクトでないなら、何がネグレクトなのか」(「大師前どうぶつ病院」さん提供)

「これがネグレクトでないなら、何がネグレクトなのか」

【ビフォー写真】全身が毛玉に覆われ、犬の顔も体の形も分かりません

そんな強い言葉とともに投稿された1枚の写真が、SNSで大きな反響を呼んでいます。

投稿したのは東京都足立区の「大師前どうぶつ病院」(@6pikuuOTUnIU9W6)。写っていたのは、全身が毛玉に覆われ、顔も体の形も分からなくなった1匹の犬でした。

SNSに寄せられた怒りと悲しみの声

投稿には、多くの共感と怒りの声が寄せられています。

「酷い…こんな人は2度と動物を飼わないでほしい」
「顔もわからないなんて…これは明らかに虐待」
「“一目惚れで買ったけど面倒に”…そんな飼い方ならやめてほしい」
「昔、動物病院でウジが湧いた子を処置したことを思い出しました…」
「レスキューしてくれた方々に感謝しかありません」

立つこともできない――保護された「もみあげ君」

ネグレクトを受けていたのは、シュナウザーの“もみあげ君”(仮名・雄)。「食欲がない」として連れて来られましたが、病院スタッフが目にしたのは、想像を超える衰弱した姿でした。

四肢には大量の毛玉が絡みつき、関節が伸ばせないほど硬化。自力で立つこともできず、腫瘍は自壊して出血と悪臭を放ち、体を震わせていたといいます。

命を救うための断脚手術 少しずつ取り戻す元気

診察後、全身の検査とトリミングを実施し、命を救うためには断脚手術が必要と判断されました。手術を経て、もみあげ君は現在3本足となりましたが、食欲も戻り、少しずつ元気を取り戻しています。

飼い主の「所有物意識」と行政の壁

今回の飼い主は高齢の方で、「自分のものだから手放したくない」といった思いが強く、動物の命よりも“所有物”としての執着が勝っていたといいます。

しかし病院が問題視したのは、行政の対応です。

「明らかなネグレクトだと現場の獣医師が判断しても、警察や保健所はすぐに動いてくれなかった」として、制度の限界と対応の遅れに大きな憤りを示しています。

「同じ思いをする命を増やさないために」

いま、もみあげ君は病院スタッフや多くの人の支えの中で、新たな一歩を踏み出しています。SNSには「どうか元気になりますように」「これ以上同じ思いをする動物が増えませんように」と、飼い主の責任と行政の役割を問い直す声が絶えません。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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