【日本ハム】栗山英樹CBO、2軍移転「育成拠点を北海道につくるのは大きな願い」/会見全文

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2025年07月07日 16:15  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

日本ハム栗山英樹CBO(2025年1月撮影)

<2軍移転意向表明会見1>



日本ハムは7日、北海道・北広島にある1軍本拠地のエスコンフィールドで会見を行い、千葉・鎌ケ谷にある2軍本拠地を北海道の札幌圏に移転させる意向を表明した。30年開業を目標とし、移転先の公募はせず、すでに札幌圏の江別、北広島、札幌、恵庭、千歳、苫小牧の6市と協議を開始しているという。2軍本拠地の移転が正式決定となった場合、鎌ケ谷の2軍施設をどうするのかは未定。会見には栗山英樹CBO(64)と小林兼開発本部副本部長が出席した。


会見での発言内容は以下の通り。


   ◇   ◇   ◇


【栗山CBO】


座ったまま失礼します。皆さん、暑い中、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。今日、非常に我々にとっても大きな意味のある発表をさせていただきたいと思います。ファイターズは長年、育成とスカウティングを重要にして戦ってきました。その中で、本当の意味で育成をできる拠点を、この北海道につくらせてもらいたい、その発表です。


どういうことかというと、ファイターズはもともと北海道に来る時から、そのスカウティングを含めてチームが勝てるようにずっと進んできました。そして、結果を残しながらも札幌ドームの皆さんにお世話になって、今度は球場ということではエスコンフィールド。ウチで言うと前沢さん三谷さんを含めて、本当に多くの人たちの努力で、これだけ素晴らしい球場をつくった。で、その進みに加えて、今、時代的に本当に必要なものは何かっていうと、やっぱり人を本当の意味で育てる場所、そういったものがこれから必要になってきます。


その意味では、本社の皆さんの思い、食と健康という意味では、コンディショニングとそれから栄養を含めた体づくり。こういったものの拠点をどうしてもつくらなければ、世界と勝負する場所はできない、チームはつくれないというところで、ずっといろんな話を重ねてきた、お願いもしてきました。


そういった意味では、そういった本社の皆さんの英断もあり、そして今、その中学校のクラブ活動の問題とかいろいろ社会的な問題がある中で、ひとつ一番大きな問題っていうのは、地域が人を育てるという日本古来の大きな文化がだんだんなくなってきていて。やっぱり、その意識もスポーツが示すということが必要だと思います。


その意味で、できればこの北海道に(育成拠点を)持ってきて、北海道の皆さんがファイターズの選手をこれまで育ててもらったように、今度は若い選手をしっかりと地域とともに一緒に育てていきたい。そういうことも含めて、この育成の拠点を北海道につくるっていうのは非常に大きな願いでもありましたし、思いでもありました。


そういった意味で、今回これを北海道に持っていきたいということを発表できるとこまで来たというのは、現場を預かった人間、そして今、現場をお手伝いする立場としては、本当に感謝してますし、感動もしております。


そういった意味で、いろいろな時代の要求、そして個人的なものですけど、23年、コロナの後、WBCを経験させてもらった時に、スポーツはいかに大きな力を持つのか、そしていかにこれから興業から産業に変わっていかなければいけないのか、そういったこと全て含めて、あの時もすごく感じていました。


そういう意味では、今回こういった形にお手伝いできるっていうのは僕自身も幸せですし、ぜひ北海道の皆さんだけではなくて、これからのスポーツ界、野球に限らずスポーツ界のひとつの形に必ずなっていくと信じているので、そういったものをしっかりつくっていきたいなという風に思います。


これは、皆さんがどういう風に感じるかはわからないんですけども、僕が現場にいた時に、本当にこれはエスコンができる前の札幌ドームであったり、そして鎌ケ谷の皆さんに本当に感謝してますし、そことどうのこうのということは一切なく、やっぱり世界に誇れる人材を育成しなければいけない。


それが北海道の皆さんが一番喜んでくれることだという風に思ってるんで、そういう意味で、その拠点をどうしてもつくりたい。


そこに向かって、これから、今日お集まりの皆さんとともに、一緒に前に進んでいきたいと思うので、ぜひよろしくお願いします。以上です。


【小林副本部長】


ファイターズの小林でございます。私の方からですね、新たな拠点の構造ということで、ご説明させていただければと思います。


先ほど栗山CBOからございました通り、そういった育成の拠点を北海道に移転する意向があるという、そういった表現にあるということをご理解いただければという風に思います。


移転表明ではなく、移転意向表明であるということは改めて申し上げさせていただきます。


それでは、私からですね、北海道における新たな拠点として目指す姿、想定するスケジュール、あとは新たな拠点としてのイメージをご説明させていただきます。


まず、新たな拠点で目指す姿でございますが、これは2つございます。


まず1つ目ですが、先ほど栗山CBOからもお話がございました通り、チームのさらなる強化が最大の目的となります。


ファイターズ以外の球団は、1軍本拠地とファーム施設が同じ都府県にある、もしくはですね、近隣エリアにあるというのは事実でございます。我々ファイターズとしても、この球場(エスコンフィールド)、北海道の近くに拠点を設けることでチームの意思決定をより迅速にすることが最大の目的となります。


次にですね、ファイターズの目指す大きな特徴の部分ですね。スカウティングと育成で勝つという、そういったものがございますけれども、育成環境をより充実させることを目指しまして、さらにはコンディショニングですとかリカバリーの重要性の高まりにも対応していきたいなっていう風にも考えております。


こうした理想を実現するために、新千歳空港、エスコンフィールド北海道へのアクセスを重視しまして、札幌圏への移転を目指すということを表明させていただきます。


目指す姿の2つ目でございますが、地域とともに成長するまちづくりでございます。取り組みたいという風に考えているのは、単なる野球の訓練施設ということではなくてですね、新たにファイターズ、スポーツ、エンターテインメントの力を生かしながら、地域とともに成長するまちづくりを目指すということでございます。


もう1点、地場企業を含めた多様なパートナーとご一緒することで、地域の活力を掘り起こしていくということにも微力ながら貢献していきたいなという風にも思っております。


野球施設にとどまらない周辺開発事業を検討していくということですけれども、エンタメ性が特徴のFビレッジと比べますと、より日常に根ざした街づくりっていうものがイメージに近いのかなという風には考えております。


本件について想定するスケジュールをご説明させていただきます。


おおまかにお伝えしますが、プロジェクト全体のブランニング、行政との折衝、調整をですね、2027年あたりまで進めてまいります。施工期間は2年ほどを見込んでおりますので、確定ではございませんが、2030年を目途に開業を目指していくということでご理解いただければと思います。


北海道における官民連携プロジェクトという風にご理解いただけると幸いでございます。


ここで新たな拠点のイメージということでパースをお見せしたいと思います。


スタジアムを中心にですね、野球関連施設を遠景から捉えておりますけれども、周辺に商業、住宅、宿泊施設なんかの開発も想定しながら検討を進めてまいりたいなという風に考えております。


いずれにしても周辺環境に調和するようにですね、グリーンですとか木を大胆に取り入れながら、北海道らしい、こだわったエリアづくりを目指していきたいという風に思っております。


最後にですね、これらの理念を実現する新たな拠点づくりのプロジェクト名ということで、ご披露させていただければと思います。


プロジェクト名ですけれども「ONE BASE HOKKAIDO」ということで、新たな拠点の創造を目指してまいります。


ファイターズがファンの皆さま、そして北海道と一緒に成長と勝利のベースとなる新たな拠点づくりを目指します。ファイターズらしく規定概念にとらわれない発想ですとか、北海道全体に貢献することも目指しながら推進していきたいという風にも思っております。


このプロジェクトはですね、地域、ファン、球場、チームが日常の中でひとつになれる新たな拠点の創造を目指すものになります。先ほど申し上げました通り、地場の企業の皆さまにも、お力をお借りしながら進めたいという風に思っています。この場をお借りして、プロジェクトに共感をいただけるパートナー企業を募集させていただければと思います。


まちづくりプロジェクトとして、さまざまな企業の皆さまとご一緒させていただけることを楽しみにしております。


私からの説明は以上となります。ありがとうございました。

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