【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【コジーン】
1980年に米フロリダ州で誕生。白馬のような芦毛の馬体がトレードマークで、芝8ハロンのG1・BCマイルなどアメリカで24戦10勝という成績を残しました。
グレイソヴリン系らしい気の難しさがあり、産駒には揉まれ弱さがあったので、逃げたり追い込んだりといった極端なレースをするものが目に付きました。基本的には芝のスピードタイプですが、スターオブコジーンやティッカネン(いずれも種牡馬として日本で繋養)のように中距離をこなすものも珍しくなく、BCクラシックを勝ったアルファベットスープのようなダートの一流馬も出しました。
日本ではアドマイヤコジーン(安田記念、朝日杯3歳S)、ローブデコルテ(オークス)、エイシンバーリン(重賞4勝)など5頭が重賞を勝ち、アドマイヤコジーンはアストンマーチャンとスノードラゴンという2頭のスプリンターズS勝ち馬の父となりました。本邦輸入種牡馬スターオブコジーンはニホンピロサート、エンゼルカロ、ネイティヴハートなどコンスタントに活躍馬を出しました。
母の父としてはイスラボニータ、エピセアローム、ブロードストリートなどを出しています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「ヨーロッパの新種牡馬の最新状況は?」
ヨーロッパ各国でも2歳戦が始まり、新種牡馬の仔が続々とデビューしています。現時点で目立つのはスターマン(Starman)。父系はダッチアート(Dutch Art)→メディチアン(Medicean)→マキャヴェリアン(Machiavellian)→ミスタープロスペクター(Mr. Prospector)とさかのぼります。現役時代にイギリスで芝6ハロンのG1・ジュライCを勝ちました。
今年の種付け料は1万ユーロ(約170万円)。イギリス、アイルランド双方で新種牡馬ランキング首位となっています。産駒は仕上がりが早く、優れたスピードも証明しているので、あとは重賞クラスでどれだけやれるか、3歳以降の伸びしろがあるかどうかでしょう。
注目のセントマークスバシリカ(St Mark's Basilica)は、英愛仏で計18頭デビューして勝ち上がりが2頭。しかし、まだシーズンは始まったばかり。期待の良血馬はこれからデビューする予定なので、シーズンが進むにつれて帳尻を合わせていくはずです。