イクイノックス(撮影:下野雄規) 今年のセレクトセールの目玉が、当歳セッションに登場するイクイノックス産駒だ。市場に初登場となる世界最強馬の産駒の中から、とりわけ注目の4頭を紹介したい。
まずはGI馬同士の配合となる324番の「レーヌミノルの2025(牡)」を取り上げたい。母は17年の桜花賞馬。同年のマイルCSでは年長の牡馬相手に4着に健闘した。そして半姉で現3歳のエンジェルブリーズはデビュー戦を快勝し、続くフローラSでも穴人気を集めたほど。現在は休養しているが、いずれは上のクラスまで駆け上がってくるだろう。この馬自身も身のこなしが機敏で、さすが良血馬といった雰囲気。3年後のクラシックを沸かせてほしい。
続いて344番の「ミッドナイトビズーの2025(牡)」だ。母は米でG1・5勝の超名牝。22年の米キーンランドの繁殖牝馬セールで、ノーザンファームの吉田勝己代表が550万ドル(当時のレートで約8億2500万円)で落札したことで話題となった。そういった意味では海外の関係者が最もと注目する馬であり、かなりの高額取引となることは確実だ。
458番の「コンヴィクションIIの2025(牝)」も活発な競り合いになることは間違いない。母は亜G1の勝ち馬。半兄でコントレイル産駒のサガルマータ(牡2)は、23年のセレクトセール当歳で5億2000万円(税抜)で取引されている。
そして母系のポテンシャルでは「パスティエーラの2025(牝)」も引けを取らない。母は未勝利だが、叔母のサブライムアンセムは22年のフィリーズレビューの覇者で、母のいとこのチェルヴィニアは24年のオークスと秋華賞を制している。それだけに血統の潜在能力は底知れない。牝馬ながら十分なサイズがあり、脚長でスラッとしたシルエットは祖父キタサンブラックの影響大。毎年のようにクラシックを賑わせる一族だが、この牝系の馬が市場に出ることは稀なので、未来の繁殖候補としても非常に魅力的な馬といえる。