22年に七夕賞を制したエヒト(撮影:下野雄規) 7月13日(日)に福島競馬場で行われる七夕賞(3歳上・GIII・芝2000m)。夏の福島開催を飾る名物重賞は、サマー2000シリーズの2戦目に位置付けられている。本稿では同競走の開催にあたり、福島2000mで実施されたレースに限って、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する。
■5位 1分58秒4 2016年 アルバートドック
同年2月の小倉大賞典で待望の重賞初制覇を飾ったが、続く中日新聞杯で18着に敗れ、マイラーズCは5着、エプソムCは7着だった。巻き返しを図った七夕賞は、戸崎圭太騎手を背に3番人気で出走。3、4コーナーを外から追い上げると、残り100mほどで先頭に立ち、外から迫ったダコールの追撃を半馬身差で振り切った。アルバートドックはその後、続く新潟記念で2着となり、サマー2000シリーズの王者に輝いている。
■3位タイ 1分58秒2 2015年 グランデッツァ
デビュー3戦目で札幌2歳Sを勝ち、3歳初戦のスプリングSを制すと、皐月賞でも1番人気に推された素質馬。古馬となってからも、14年のマイルCSで3着に入るなど存在感を示していた。ひさびさのタイトル獲得を狙って、15年の七夕賞にエントリー。道中は外目の5番手から運び、4コーナーで逃げ馬の直後まで押し上げると、2着のステラウインドに1.1/4馬身差を付ける危なげない走りで、1年2カ月ぶりの白星を飾った。
■3位タイ 1分58秒2 2017年 ゼーヴィント
春クラシックへの出走はかなわなかったが、夏のラジオNIKKEI賞で1番人気に応えると、続くセントライト記念でも2着。菊花賞の優先出走権を獲得したが、これを行使せず、福島記念に向かってふたたび2着に好走する。さらに17年初戦のAJCCでも2着となり、重賞で4戦連続連対と安定感を発揮。そんな中で迎えた17年の七夕賞では、持ち前のしぶとい末脚を発揮し、ゴール寸前で逃げ馬を競り落として重賞2勝目を手にした。
■2位 1分57秒9 2024年 レッドラディエンス
新馬戦こそ6着に敗れたものの、以降は馬券圏内を外さず、相手なりの走りで24年2月のコパノリッキーCを制してOP入り。昇級初戦のメトロポリタンSで2着とまずまずの内容を見せると、初タイトルをかけて初夏の福島に向かった。道中は8番手あたりで脚を溜めて追走。直線入口では前と離された位置にいたが、ゴーサインが出てからの伸び脚がするどく、後続に2馬身差を付ける圧勝劇を披露して重賞初制覇を果たした。
■1位 1分57秒8 2022年 エヒト
OP入り後はAJCCで9着、続く京都記念で7着と目立たず、七夕賞には54kgの軽ハンデを背に6番人気で挑んだ。伏兵の一角に過ぎなかったが、3コーナー手前からの手応え、動きは目立つものがあった。馬なりで先行集団の背後まで押し上げ、直線は残り200mで先頭に立つ強い競馬。後続に2馬身半差を付ける圧勝だった。勝利した田中勝春騎手は今では調教師となり、今年の七夕賞に管理馬のシリウスコルトを送り込む。