06年七夕賞を制したメイショウカイドウ(撮影:下野雄規) 稀代の小倉巧者として知られるメイショウカイドウだが、決して小倉オンリーの馬ではなかった。実際、重賞5勝のうち、1勝は福島で挙げたもの。ここでは小倉以外で最初の重賞制覇、そして自身最後のタイトル獲得にもなった06年の七夕賞を振り返る。
メイショウカイドウは父スキャン、母キンセングローリー、母の父ヒッタイトグローリーの血統。04年の小倉記念で重賞初制覇を果たすと、05年には史上初の同一年での小倉三冠制覇を果たした。しかし、その後は毎日王冠で14着、天皇賞(秋)で18着に敗退し、連覇を狙った小倉大賞典は3着。約3年ぶりのダート挑戦となった佐賀記念でも5着に終わると、しばしの休養へ。そして復帰戦に選ばれたのが七夕賞だった。
トップハンデの59kg、さらには近走の内容も影響したのか、3番人気に甘んじた一戦。しかし、レースでは久しぶりに輝きを取り戻すこととなる。スタート直後は中団だったが、少し行きたがったので2角では好位へ。そこからリズム良く運ぶと、3角からスパート。逃げた1番人気のコンゴウリキシオーとの差を徐々に詰めると、残り100mで先頭へ。そのままゴールを駆け抜け、5つ目の重賞タイトルを獲得したのだった。
7年ぶりの福島参戦だった武豊騎手にとっては、97年の七夕賞のマイネルブリッジ以来、9年ぶりとなる当地での重賞制覇。そしてメイショウカイドウにとっては小倉以外で初のタイトル獲得となった。これが最後の勝利となったものの、「小倉だけの馬」ではないことを証明したという点で、大きな意味があるレースだったに違いない。