逮捕された埼玉県所沢市職員の田中海斗容疑者=10日午前、同市(一部、画像処理してあります) 親族のマイナンバーを職務以外の目的で取得したとして、埼玉県警は10日、マイナンバー法違反(職権乱用収集)容疑で、所沢市主任の田中海斗容疑者(31)=東京都八王子市=を逮捕した。「マイナンバーを集めたことは間違いない」と容疑を認めている。県警によると、職権乱用収集容疑での逮捕は全国初という。
同法は、公務員らが職務以外の目的で他人のマイナンバーを取得した場合、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定めている。
県警や市によると、田中容疑者は取得したマイナンバーで自分と妻の親族の扶養状況や収入を確認。18〜24年度で計約40人を自分の扶養家族に入れて修正申告を行い、市・県民税の還付と保育料の減額で計約216万円の不当利益を得ていた。県警は、控除や還付金の額を水増ししていたとみて、詐欺容疑も視野に捜査を進める。

埼玉県警本部=さいたま市浦和区

埼玉県所沢市職員の逮捕を受け、記者会見する小野塚勝俊市長(右から2人目)=10日午後、同市