
岡山自動車大学校(岡山県浅口市鴨方町六条院中)の学生たちが、実習車として使用している日産「R32型スカイラインGT―R」の公道復活プロジェクトに取り組んでいる。30年以上前のスポーツカーながら、高い走行性能と力強いフォルムで今なお多くのファンに愛される名車。車体やエンジン、足回りの傷んだ箇所を学んだ技術・知識を生かしながら修理し、今年9月の公道再デビューを目指す。
大学校は2011年、走行距離11万キロのGT―Rを約100万円で購入。特殊な電子制御の4WDシステムなどを学ぶために活用してきた。屋外で保管していたため車体の損傷が目立つようになり、エンジンのオイル漏れも激しくなっていた。
復活プロジェクトは2023年秋にスタート。学生9人がレストア(再生)チームを結成し、週に1、2回、さび穴をふさいで塗装をやり直したり、エンジンルームのホースを交換したりしてきた。
作業に携わったOBの羽柴巧人さん(21)=岡山市南区=によると、修理で最大のネックとなったのが部品交換。1994年の生産終了後、廃番となった部品が多く、再生産されたパーツも当時の約20倍の価格に高騰していて手が出せなかったという。悩んだあげく、他車の部品を加工し、代替パーツを造って取り付けた。
|
|
カビの生えたシートなどの内装もリフレッシュし、24年12月に車検証とナンバープレートを再取得。現在も在学生たちがエアコンホースの接続部の修理や、ブレーキの追加整備を進めている。
9月の完成後には体験入学会の送迎などに利用する予定。西江怜生教官(28)は「車好きなら思わず振り返ってしまう名車。公道を元気に走る姿を見せたい」といい、原田公徳校長(56)は「レストアの経験は、きっと学生たちの大きな糧になるはず。日本を代表する名車の復活を心待ちにしている」と話している。
(まいどなニュース/山陽新聞)
|
|