七夕賞に出走するドゥラドーレス(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、福島競馬場で七夕賞(GIII・芝2000m)が行われます。
過去10年の七夕賞で3着以内に入った馬を見ると、すべて4角を10番手以内で通過していました。過去10年の七夕賞はすべて小回りの福島で開催されています。福島の直線は300mに満たない距離ですので、4角で11番手以下の馬は追い込み切れずにレースを終えてしまうと考えられます。4角ではある程度の位置につけていることが上位争いに加わる条件と言えそうです。
ただし、4角1番手の馬も苦戦しており、過去10年で4角を1番手で通過した馬は【0-2-0-8】となっています。小回りで直線の短い福島ということもあり、前へ行く馬はマークが厳しくなるのでしょう。特に道中でハナに立っている馬は後続のプレッシャーがきつくなるため、直線に入るころには余力を失い粘り切るのが難しくなっていると考えられます。
しかし、事前に実際のレースの4角での位置取りを正確に把握するのは困難です。そこで前走4角での位置取りに注目したところ、前走4角10番手以内の馬が【7-10-7-94】となっています。そして、前走4角1番手の馬が【1-0-1-13】となっていますので、実際のレースでの4角位置別成績と似たような傾向が見て取れます。
このことから、前走の4角10番手以内と七夕賞の好走パターンに当てはまる競馬をしている馬には一定の評価が必要と言えそうですし、一方で苦戦傾向にある前走4角1番手の馬は割り引いて考えた方がいいかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走4角13番手以下(ただし、福島で重賞勝ちの実績がある馬は除く)
[0-0-0-12]複勝率0%
該当馬:ドゥラドーレス、マテンロウオリオン、リフレーミング
(過去の該当馬:24年リフレーミング3番人気5着、19年ロシュフォール1番人気11着、18年レイホーロマンス2番人気6着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるドゥラドーレスが該当しました。
ここ10年の七夕賞で前走4角10番手以内の馬や1番手の馬については先述しましたが、前走4角13番手以下の馬も苦戦傾向となっています。
過去10年の七夕賞で前走4角13番手以下の馬は【1-0-0-13】と1頭しか馬券に絡んでいません。この1頭は20年のクレッシェンドラヴで福島での重賞勝ちの実績があった馬でした。福島の重賞で勝利しているのは、福島コースに極めて高い適性がある証と言えます。前走4角13番手以下でも、福島に高い適性を示す実績がある馬には注意が必要と言えそうです。
該当馬に挙げたドゥラドーレスは前走4角14番手。これまで福島では重賞実績どころか、出走経験すらありません。いわば、福島コースへの適性は未知数な馬であり、全く合わない可能性も否定はできません。これが人気薄であればリスクを負うだけの価値はありますが、ドゥラドーレスは上位人気が有力で大きなリターンには期待できませんので、多少なりともリスクがあるのはマイナス材料と言えます。
また、近3走の内、2走がスタートで出負けし後方からの競馬となっています。それ以前のレースでもスタートで立ち遅れるケースが目立っていますので、今回も出遅れて後方からの競馬になる可能性も十分にあります。
デビューからの10戦で8戦が上がり1位と末脚に定評のある馬ですが、今回はその持ち味が生きづらい福島が舞台というのも気になるところです。
しかも、これまで重賞勝ちの実績がないにもかかわらず、今回の斤量は57.5キロと少々見込まれた印象もあります。過去の傾向やこの馬の特徴などから、人気でも過信は禁物と言える1頭ではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。