
小型ロケットの開発や製作に取り組む同志社大の学生団体「DERC(デルク)ロケットサークル」が、より本格的なハイブリッドロケットの打ち上げなど新たな挑戦を始めた。専任の指導者やスポンサーはおらず、手弁当で開発を続けてきた異色の集団。メンバーは「人やお金は十分じゃなく道は険しいが、先輩から受け継いできた技術や思いをつなげていきたい」と熱く語る。
2018年に発足し、部員は現在17人。学習を目的としたモデルロケットを中心に研究開発を進め、毎年、「種子島ロケットコンテスト」での優勝を目指している。学内では準公認サークルで歴史も浅いが、実力は一目置かれている。昨年3月の同コンテストでは、エンジンノズルの向きを自動調節して空中の機体を制御する「姿勢制御ロケット」部門で優勝を果たし、「学生団体では初の成功」と称賛された。
昨年5月には液体と固体燃料を組み合わせたハイブリッドロケットの打ち上げにも成功。活動の枠をモデル、ハイブリッドの両方に広げることを決めた。ハイブリッドロケットは機体が大きくなり、モデルロケットで培ってきた姿勢制御や着陸、空撮、物資の放出などの技術も盛り込むことができるという。代表の村田健翔さん(21)は「さらに本格的なロケット開発となり、ロマンが膨らむ」と意気込む。
一方で、学生サークルならではの悩みも尽きない。ハイブリッドロケット1機の製作には約30万円必要という。これまでのモデルロケット製作や燃焼実験にかかる費用、鹿児島や和歌山の打ち上げ場所への交通費なども合わせると、部費や大学の支援金、各種の補助金申請が認められても足りず、アルバイトやクラウドファンディングで捻出してきた。
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それでも、活動を諦めるつもりはない。村田さんは「他大学との交流もあり、分からないことは教えてもらってきた。僕たちに期待してくれる人のためにも、打ち上げは成功させたい」と力を込める。
(まいどなニュース/京都新聞)