「ついもう一杯飲みたくなる味わい」 京都発のジン、英国で金賞獲得

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2025年07月14日 16:10  まいどなニュース

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金賞に輝いたジンを手にする元木虎太郎さん(左)とヨイチさん親子=京都市上京区下立売通七本松東入ル・Motoki蒸研

 京都市上京区の蒸留所が手がけた二つのジンが、屈指の権威があるイギリスの大会「ワールド・ジン・アワーズ」でいずれも金賞に輝いた。業界のレジェンドと呼ばれる造り手らが昨年に生み出したばかりで、風味付けに用いる素材に右京区京北のヒノキを用いるなど、京都らしさをまとう看板商品。「バランスが良く、ついもう一杯飲みたくなる味わいを緻密に作り上げた」と胸を張る。

【写真】金賞に輝き、カントリーウイナーにも選ばれた「ヤマレスト インダストリアル ジン オーディナリー」

 Motoki蒸研(上京区下立売通七本松東入ル)の元木ヨイチさん(53)と長男虎太郎さん(26)が手がけた「ヤマレスト インダストリアル ジン オーディナリー」と「同キング」。各部門のうち最も出品数が多いロンドンドライジン部門で金賞に輝いた。オーディナリーは、「カントリーウイナー」にも選ばれた。日本からの出品の中で最上という評価だ。

 ヨイチさんは国産ジンの代名詞「季の美」の誕生に尽力。業界で広く名を知られる。

 ヤマレストは、風味付けのボタニカルとして、京北のヒノキに加え、福岡の八女茶、桜の葉など10種類を用いる。40〜50種類のボタニカルを使うジンもある中、貫くのは引き算のスタイル。例えばレモンの香りを前に出したい場合、レモンの量を増やすのではなく、香りを邪魔する別の素材を減らす。ヨイチさんは「京都にいるからこその発想だと思う。京料理のだしはシンプルでありつつバランスと複雑さを備え、ごまかしがきかない。ヤマレストも味の丸みとバランスが良い。日常に溶け込み、毎日飲みたくなる味だと思う」と自信を見せる。

 オーディナリーは香りの層を段階的に感じられるのが特徴。キングは2回の蒸留を経ることで雑味が一層減り、オーディナリー以上に、リッチかつクリアなフレーバーを楽しめるという。

 ヨイチさんは、コンサルタントとして携わった野沢温泉蒸留所(長野県)のジンを金賞に導いていただけに、「自分の蒸留所で金賞を取れなければ示しが付かなかった。ほっとした」と相好を崩す。虎太郎さんは「今後、地元の方々に胸を張ってもらえるようなブランドにしていきたい」と前を見据える。

 受賞は知名度上昇や販路拡大につながると見込まれる。「海外輸出など、世界進出にも弾みが付く」。ヨイチさんが言葉に力を込めた。

(まいどなニュース/京都新聞・陰山 篤志)

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