
群馬県大泉町は、日本でも有数のブラジルタウンです。すれ違うクルマは、多くの外国人で、日本語が通じにくい専門料理店などもあります。独特の雰囲気の中で畜犬登録をしていないようなワンコを、やや乱暴に外飼いしている例を目にすることがあります。これは犬種に関係なく、小型犬であっても外飼いされる例は珍しくありません。
そのエリアで行き場を失い、ひとりぼっちで彷徨っていた小さなワンコが発見され、群馬県動物愛護センターに収容されました。
この小型犬もおそらくは外飼いで、長らく満足をされなかったせいで毛が絡まり合い、犬種の判別ができないほど。背格好からテリア系だと当初は思われていました。
毛を刈って当初の見立てとは違う犬種であることが判明
後にこのワンコを引き出すことにしたのは保護団体・Delacroix Dog Ranch。すぐに「チェロ」というかわいい名前をつけてあげ、まずはその絡み合う毛をいったん全て丸刈りに。そこで分かったことはテリアではなくミニチュアシュナウザーだったということ。
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団体メンバーは少々拍子抜けしましたが、それでもチェロは、気の強いワンコが多いミニチュアシュナウザーには珍しく温厚で、初対面の人間にもフレンドリーに接してくる「いいやつ」な性格でした。
ただし、ワンコ同士の付き合いは少し苦手。チェロ本人は他のワンコと遊んでいるつもりでも、その長いベロを出しての激しすぎる動作によって、他のワンコが怒り出すこともありました。
過去を感じさせないほどの幸せを掴んだ
しかし、こんなチェロ特有の行動も人間にとってはオチャメで憎めないものです。ほどなくして、「チェロをお家に迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、見事幸せな犬生を掴むことができました。
とにかく感情表現豊かなチェロは、今日も優しい里親さんのもとで、ルンルンのハイテンションで楽しく散歩していることでしょう。
毛が絡み合ってボロボロだった頃のチェロはもういません。自分を完全には出しきれなかったかつての時間を取り戻すように、とびきり楽しい毎日を送り続けて欲しいと思いました。
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(まいどなニュース特約・松田 義人)