大潮の干潟を鎌でひたすら掘り続け、不思議な見た目の生物を捕まえていく様子が「おもしろい」「懐かしい」とYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で40万回以上再生されています。
投稿したのは、香川・小豆島で現役漁師として生活しているYouTubeチャンネル「小豆島の漁師はまゆう」のはまゆうさん。以前には、怪しげなドロ池にサンマ入りのカゴを沈めて放置して高級食材の仲間を捕獲する様子を紹介しました。
今回は、干潟に生息する貝の一種「マテガイ」を取りに行くとのこと。ただし、一般的に使われている方法ではなくちょっと変わった方法でマテガイが取れるのか検証してみるようで……?
はまゆうさんによると、干潟の砂の表面を削るとマテガイの住む穴が出てくるそうです。通常はその穴に塩を入れて飛び出してくるマテガイを取りますが、塩は湿気で固まりやすく穴に入れづらいことがあるのだとか。そのため、液体を使ってマテガイが取れるか検証することにしました。
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はまゆうさんが使ってみる液体、それは海水に塩を加えて煮詰め、水分を飛ばして作った「とんでもなく塩辛い海水」と「しょうゆ」の2種類です。検証後は取れたマテガイで沖漬けを作ろうと思っているそうですよ。
視聴者からもらった酒の入れ物だというツボにしょうゆ、みりん、酒を加えて沖漬けのタレを作り、タレ入りのツボを持ったらいざ出発。果たして海水としょうゆを使ってマテガイを取ることはできるのでしょうか。
干潟に到着したら塩辛い海水をペットボトルに詰め、いざマテガイ取りに挑戦。干潟はさまざまな生物がいるのはもちろん、謎の穴がたくさん開いていることもあってとても面白いそうです。窪地になって残った海水がたまっているところには魚がいることもあるといいます。
干潟について話しながら歩いていると、巻貝、カニ、ハゼの姿を早速発見。ぽつぽつと落ちているウサギのフンのような小さい丸い物体は、カニが砂を吐き出した跡なのだそうです。
今度は諸説あるというマテガイの名前の由来について話していると、マテガイがいそうな場所を発見しました。なお、マテガイ取りをする際は水気が多い場所は避け、掘ってもすぐに水が入ってこない場所を狙うといいそうですよ。
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砂の表面を削りつつ、マテガイ取りについて「穴があったら何でも塩を入れてしまうこと」をよくある間違いだと指摘するはまゆうさん。というのも、マテガイがいる穴は丸形ではなくアワビ形(ひし形)なのだそうです。
マテガイの掘り方や使う道具について説明して掘り進めていくと、マテガイがいそうなアワビ形の穴が現れます。試しに塩を入れたところ、あっという間にマテガイが飛び出してきました。
マテガイは浅くて10センチ、深くて1メートルほど穴に潜っていることがあるそうです。そんなマテガイは満潮になると海の中に出てきて、プランクトンを食べて生活しているとのこと。それではなぜ穴に塩を入れるとマテガイが飛び出してくるのでしょうか。
はまゆうさんによると、その理由については「満潮と勘違いして出てくる説」「いきなり塩分濃度が高くなって驚いて出てきてしまう説」「浸透圧によって体内の水分が奪われるのを防ぐために出てくる説」という3つの説があるそうです。
穴から飛び出してきたマテガイは指先でつかみ、引っこ抜いて捕まえることになります。しかしその殻は意外にもろく、思い切り引き抜くと殻が割れてしまうことがあるのだとか。殻が割れると中に砂が入ってしまうため、いい感じの力加減で抜く必要があるそうですよ。
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塩を使って3匹のマテガイを捕獲したところで、しょうゆを使ったマテガイ取りに挑戦します。環境に配慮して数カ所だけしょうゆを垂らしてみましたが、不思議なことにマテガイは出てきません。塩分濃度の問題なのか詳細は不明ですが、しょうゆでマテガイを捕まえることはできませんでした。
次に高濃度の海水を試してみます。海水を穴に注ぐとマテガイが飛び出してきましたが、塩よりも出てきにくいと感じたそうです。もしかすると、もっと塩分濃度を上げて塩と海水のギリギリの境目の液体を狙えば、もっとマテガイが出てくるかもしれないとも感じたといいます。
検証後は塩を使って1時間ほどマテガイを取っていくと、かなりの数になりました。沖漬けにするために海水で洗っておきます。マテガイは成長が遅い生き物であることから、小さいものはリリースしたそうです。
沖漬けを作る前に、先ほど出会ったおばあちゃんが取っていたというアサリを探してみることに。小豆島では絶滅したと思っていたアサリを探してみると、小ぶりながらキレイなアサリを発見。20分ほどで4つ取れたアサリをおばあちゃんにあげると、「いいだしが出るわ」と喜んでくれました。
その後はマテガイの沖漬けならぬ干潟漬けを仕込んでおきます。持参したタレに海水で洗ったマテガイを投入し、翌日七輪で焼いて食べることにしました。
翌日、冷蔵庫に入れておいたマテガイの干潟漬けを確認してみると、中までしっかりタレが染みこんでいます。しっかりタレを吸ったマテガイを炭でじっくりと焼いて食べたところ、漬けすぎてしまったのか、ちょっぴり塩辛かったようです。かめばかむほど貝の味を感じておいしかったという塩辛いマテガイは、ハイボールとともにおいしくいただきました。
マテガイはもともと塩味が利いているため、何かに漬けるよりそのまま焼く方がおすすめとのこと。バターにニンニクを入れて炒めてもおいしいので、ぜひマテガイ取りや調理に挑戦してみてほしいと話すはまゆうさんなのでした。
この動画のコメント欄には「おもしろい生態の貝ですね。一度、食してみたいと思いました」「初めてマテガイ見ました」「最近はめっきり見ないですね」「面白い実験結果ですね」「いつかマテガイ取って私も食べてみたいな」といった声が寄せられています。
はまゆうさんは、養殖したのりや開発したポン酢、「サワラのみそ漬けたたきセット」などをネットショップ「はまゆうショップ」で販売中です。また、YouTubeチャンネル「小豆島の漁師はまゆう」やInstagram(@osenmaru1)では漁の様子や再現料理のレシピを公開しています。
動画提供:YouTubeチャンネル「小豆島の漁師はまゆう」
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