
138個のトランクで構成されたトランクスケープ
Image by: LOUIS VUITTON
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」による大規模な没入型エキシビション「ビジョナリー・ジャーニー」展が、大阪中之島美術館で開幕した。1000点以上の展示品を、アトリウムのインスタレーションを含め12のテーマに沿って展開。19世紀から続くメゾンの歴史を紐解きながら、日本との深いつながりにフォーカスした特別な内容となっている。事前申込制で、期間は9月17日まで。
ルイ・ヴィトンの創業170周年と大阪・関西万博開催を記念したビジョナリー・ジャーニー展は、昨年タイ・バンコクで話題を集め、現在は中国・上海でも開催されている展示に、日本ならではの内容を加えた最大規模のエキシビション。美術館での開催も初めての試みとなっている。ファッション史家のフロランス・ミュラー(Florence Müller)がキュレーション、OMAの重松象平がデザインを担当。竹で覆われた壁や、畳を模した床、万華鏡や天体図の中に入り込むような演出など、テーマごとに空間と展示物が一体化した没入体験を味わうことができる。
吹き抜けのアトリウムに設置されたランタンのように光る和紙のトランクタワーにはじまり、1854年にルイ・ヴィトンが創業してから現在までの物語を表現。未だ謎に包まれているというモノグラム・キャンバスの起源を辿る展示では、日本の家紋との関連性にも触れている。考案者である2代目ジョルジュ・ヴィトンがジャポニズムに感銘を受けた可能性を示す資料として、1889年にパリのギメ東洋美術館に展示された徳川家斉のものとされる旅行用トランクを展示。漆塗りの木製ボディに家紋があしらわれたその装飾は、モノグラム・キャンバスのモチーフとの類似性を感じさせ、意匠的な結びつきを浮かび上がらせる。
今回の目玉のひとつとして、モノグラム・キャンバスの最初の商標登録サンプル(1897年)を世界初公開。また、アンバサダーの平野紫耀による特注トランク「ツールボックス・トランク」、大阪出身のグラフィックデザイナーVERDY の「クーリエ・トランク」が、映像とともに披露されている。
セレブリティが着用したオーダーメイドのドレス、草間彌生や村上隆、「シュプリーム(Supreme)」といった大胆なコラボレーション、製品の品質を保証するための耐久性試験や職人によるデモンストレーションなど、多様な展示空間を展開。さらに会場内には、充実したラインナップのギフトショップを併設。限定アイテムも販売されている。
開幕前日のプレスイベントには、ルイ・ヴィトンのメンズ クリエイティブ・ディレクター のファレル・ウィリアムス、アンバサダーの広瀬すずと平野紫耀、アントワーヌ・デュポン、フレンド・オブ・ザ・ハウスのKōkiとローラ、さらにYUTA、堀米雄斗、佐々木希、山本未來、福島リラ、VERDYなど、華やかなゲストが来場しエキシビションを堪能した。
■ルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展会期:2025年7月15日(火)〜9月17日(水)会場:大阪中之島美術館 5階展示室所在地:大阪府大阪市北区中之島4-3-1開場時間:日曜日-木曜日10:00〜17:00(入場は16:30まで) 金・土・祝前日10:00〜19:00 まで延長(入場は18:30まで)休館日: 月曜日、7月22日(火) *7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開館観覧料: 一般2000円、大学・専門学校生1500円、高校生以下無料(要事前申込) チケットサイト問い合わせ:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター) 小湊千恵美 (Chiemi Kominato) FASHIONSNAP ファッションディレクター 山梨県出身。文化服装学院卒業後、アパレルデザイン会社で企画、生産、デザイナーのアシスタントを経験。出産を経て、育児中にウェブデザインを学びFASHIONSNAPに参加。レコオーランドの社員1人目となる。編集記者、編集長を経て、2018年よりラグジュアリー領域/海外コレクションを統括するファッションディレクターに就任。年間60日以上が出張で海外を飛び回る日々だが、気力と体力には自信あり。