大丸松坂屋百貨店がショッピングバッグを刷新、大丸では35年ぶり 多様な価値観を「百様図」で表現

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2025年07月17日 11:31  Fashionsnap.com

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宗森耕二代表取締役社長(中央)

Image by: FASHIONSNAP
 大丸松坂屋百貨店が、大丸と松坂屋で使用するショッピングバッグなどの包材を刷新すると発表した。包材のリニューアルは大丸が35年ぶり、松坂屋が23年ぶり。大丸と松坂屋が合併してからショッパーに共通デザインを採用するのは初で、7月30日から新たなデザインへ順次変更する。

 大丸松坂屋百貨店は、全国の主要都市に15店舗を展開。本店を持たず、それぞれの店舗が独自の歴史と個性を持ち、地域と深く結びついた店舗経営を行ってきた。一方で、店舗ごとのイメージがバラバラで、統一的なブランディングが出来ていないことが課題だったという。ブランドの在り方を模索する中で、同社はその多様性を、価値観が急速に変化する現代社会における存在意義として定義。大丸と松坂屋の合併から15年を迎えることを受け、そのアイデンティティを可視化するため、2022年にショッピングバッグのリニューアルプロジェクトを始動した。
 これまで大丸は、グラフィックデザイナー 井上淳が1990年に手掛けた、グリーンとベージュの斜めストライプを取り入れた包材を使用。松坂屋は、2002年にアメリカ人デザイナー マイケル・シュワブ(Michael Schwab)が制作した、カトレヤのグラフィックを大胆に配したデザインを採用していた。
 新包材は、「多様な価値観が認めあい重なりあう豊かさ」をテーマに制作。歴史、地域性、時代性、顧客への心配りという同社が大切にする4つの価値観と、訪れる人々の多様な価値観が重なり合う様子を「百様図」という新モチーフで表現した。大丸と松坂屋のロゴを単純化した、丸と四角というシンプルな形で紙を切り抜き、それらを幾重にも重ねることで曼荼羅のような複雑な柄を生み出している。両店の従来の包材の象徴的なカラーである、ピーコックグリーンとロイヤルブルーを軸にそれぞれ配色。共通のデザイン言語を用いることで、統合的なブランディングを図る。

 新たな包材のデザインは、日本デザインセンター三澤デザイン研究室を主宰する、三澤遥が担当。同氏は、ものごとの原理を観察し、未知の可能性を視覚化する実験的なデザインで知られており、上野動物園の知られざる魅力を表現した「UENO PLANET」や、紙の可能性を探求した「動紙」などを手掛けてきた。
 三澤は新包材について「デザインチームとして今回のリニューアルに2年半ほど関わってきた。見る人の心情や記憶をたぐり寄せた時に、それぞれの中に百様のシーンが浮かぶような、そういう模様になったらいいなと考えながら制作しました。 百様のヴィジュアルアイデンティティは今後も様々な場面で展開していくので、楽しみにしていただけたら嬉しいです」とコメントした。

■大丸松坂屋:特設ページ

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